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zekku0208

 [0810遅刻投稿] 至砂丘途中。 立秋將夕下河漘。飲水三杯發汗新。激浪炎風何日止。詩腸褶曲熱無垠。 韻真(上平)、平起、七絶。 立秋將に夕ならんとして河漘を下る。水三杯を飲みて發汗新たなり。激浪炎風何れの日にか止まん。詩腸褶曲し熱すること垠り無し。 注釈。河漘、川の畔。褶曲、地層が圧力を受けてぐにゃりと曲がる事。 立秋には素直に涼新たと詠みたいのだが、近年の気候は許さない。土用波は不変だが熱風は先祖からの詩心を圧折る。滅びる季節に対して挽歌を捧げなければ文学の存在意義が無い。

zekku0198

  熱帯夜聞袋井遠州花火。 原川遠煙火。復獨感轟雷。邑暫如京兆。人車乍没垓。 韻灰(上平)、平起、五絶。 原川の遠き煙火。復た獨り轟雷を感ずるのみ。邑暫く京兆の如し。人車乍ち垓に没す。 注釈。原川、原野谷川。獨、一人で~しただけである。京兆、都。垓、天地の果て。 袋井の広域が混むのは花火大会と秋祭りだけです。断言出来ます。寝込んでいた為に今年も見逃したが大玉の炸裂音は余情を掻立てた。来年は会場に赴いて煙臭さを堪能したい。 _/_/_/_/_/ 原野谷川を詠む時は常に平の位置になってしまう為に未だに原水を使った事が無い。

zekku0188_tanka0094

  線通信、所感。 與甥之野坰。浴日眺田靑。照片何攸用。於心已刻銘。 韻青(下平)、平起、五絶。 甥と野坰に之く。日を浴びて田の靑きを眺む。照片何の用ゆる攸ぞ。心に已に刻銘す。 注釈。野坰、郊外。照片、写真、特に風景写真、人物写真は相片。 第二回聒聒兒漢詩會に提出。 社交網にペタペタと何百枚も貼らない。偶に会って、青田の風光、甥の立ち姿を観察すればそれで結構である。子も撮影機器ではなく親の顔が見たいものであろう。 遠江狐疑出でて見れば久方の雲居に紛ふ掟つる白波 百人一首にもある海上遠望「海の原漕ぎ出でて見れば久方の雲居に紛ふ沖つ白波」の本歌取り。久方のが先行するのは主に天に関わる種々の言葉である。天、雨、空、月、月夜、月毛、日、昼、雲、雪、霰、岩戸、織女、桂、都、鏡の作例がある。下二段他動詞おきつは計画する、指示する、管理するの意味。連用形名詞の掟(おきて)が現代に残る。 民間の事を民間で行うのは構わないが、代表を僭称して世論の偽装や補助金の詐取を試みるのは役場の書類仕事を増やし市民の声に向ける集中力を奪うだけだから止めた方が良い。

zekku0166

 [0515遅刻投稿] 營造庭園。 揮汗艷叢濃。揚腰伐樹墉。三吨撤除了。嘳息仰孤松。 韻冬(上平)、仄起、五絶。 汗を揮ひて艷叢濃し。腰を揚げて樹墉を伐る。三吨撤除し了はる。嘳息して孤松を仰ぐ。 注釈。艷叢、美しい花の咲く叢や木立。樹墉、生垣。吨、日本では瓲。嘳息、溜息を吐く。 平野美術館の無料開放日だったので行く予定だったが、疲れたので眠りつつ庭を眺めていた。母と庭師が見る見る内に樹木を撤去して綺麗になった。松が目立つようになりすっきりした。

zekku0159

  讀第九條有所感。 飛機惨殺朋。粉碎斗渠塍。兵痞炮包拯。公須以法懲。 韻蒸(下平)、平起、五絶。 飛機朋を惨殺し、斗渠と塍とを粉碎す。兵痞は包拯を炮る。公須らく法を以って懲らすべし。 注釈。飛機、飛行機、ドローンも含む。斗渠、細い用水路。塍、畦。兵痞、軍部の弊習に染まった古参兵、又、若者を攫って軍に売るならず者。包拯、北宋の政治家、公平な裁定で知られる。 文治体制はあっさりと崩壊してしまった。結局大本営発表と変わらない機械的な金融関係者の空理空論に痺れを切らした怒れる力に蹂躙される運命だろう。自業自得で特に悲しみは無い。但し、戦争で最終的に得をするのは金持ちである。電気信号で生かす余力は無いのに。 [0423遅刻公開]

zekku0154

  嘻哈輪。 埒破競贏輸。多言聳厥軀。君知神髄否。辣賦拉姦夫。 韻虞(上平)、仄起、五絶。 埒破贏輸を競ふ。言多くして厥の軀を聳かす。君神髄を知るや否や。辣賦は姦夫を拉ぐ。 注釈。埒破、饒舌(説唱)の徒の音訳、和臭。贏輸、勝ち負け。辣賦と拉夫、饒舌の音訳。姦夫、悪者。 実は漢音でラツと読む曷韻の字は辣だけ。拉はラフで合韻、埒はレツで屑韻。他に剌、喇等と同音符はラツと読む曷韻の字。溂は和字だが剌と同じで良いだろう。尚、大陸で通用する音訳は拉普。普通を拉ぐとは痛快だ。但し、平仄が合わない為使えなかった。 若くして社会から離れた場に立つ経験は得難い。安直に悪に陥らず見識を広め様々な表現を摸索する。期待が重いだろうか。必ず出来ると信じている。

zekku0134

  彌生、去聲三十韻其五。 春來勤墾熂。破屋加塗墍。詠賦奏風琴。烤爐炊饒餼。 韻去(去声)、平起、五絶。 春來りて墾熂に勤め、破屋に塗墍を加ふ。賦を詠じて風琴を奏で、烤爐もて饒餼を炊ぐ。 注釈。熂、野焼きする、雑草を焼く。塗墍、壁を塗る、墍は息を上げながら塗る。賦、心の儘を歌った詩。烤爐、食べ物を焼く窯。 饒 ▲ 餼、 豊 ○ 餼、豊かな食べ物。 今日見聞きした話から豊かな三月の暮らしを想像してみた。農耕は始まってしまっているが牧歌的で充実していると嬉しい。せめて鋭敏な運動神経や協調の必要のない肉体労働なら出来るように鍛えなければ自活は厳しいだろう。

zekku0132

  夜食。 善哉絲蒟蒻。熱量可驚零。嚥下千銖塊。腸壅殆放靈。 韻青(下平)、平起、五絶。 善きかな絲蒟蒻。熱量驚くべし零なり。千銖の塊を嚥下す。腸壅がりて殆ど靈を放つ。 注釈。絲蒟蒻、糸状に加工した蒟蒻。承句、なんとカロリーゼロ。銖、周代の一銖は凡そ0.67瓦。 壅 ○ 、 塞 ● がる。放靈、霊を解き放つ。 実際に食べたのは300瓦程だった為に一斤(周代は256瓦、序でに唐代は約600瓦、現代中国は500瓦)としたかったが平仄が合わなかった。地獄を見た。まだ調子が悪い。せめてよく噛むべきだった。 _/_/_/_/_/ 斤の字義を調べると radical 69 とあった。康煕字典の69番目の部首の意味らしい。暗号に使えそうだ。

zekku0122

  千年後之樂土。 遠孫如掘鑿。考古應驚愕。携帯塑膠囊。模之無釉堊。 韻薬(入声)、平起、五絶。 遠孫如し掘鑿せば、古を考へて應に驚愕すべし。携帯と塑膠の囊、之を模したる無釉の堊。 注釈。掘鑿、発掘。塑膠 囊 ○ 、厳密には塑膠購物 袋 ● 、塑膠はプラスチック(熱可塑性樹脂)。釉、うわぐすり、焼物の表面に塗り光沢を出したり手触りを良くしたりする硝子質の溶液。堊、白土、漆喰や石灰などを言うが実際には石膏 のような白磁[0306追記訂正] だった。 樂土舎の地中の家(窯跡地)で遠藤氏が日用品を象った陶器を展示していた。藁敷の仄暗い土間に白い素焼きが並んでいた。遠い未来に残っていたら確かに面白そうだ。化石化しそうもない曾ての有触れた道具が発掘されたら、「高度物質文明」をどう思うのだろうか。実際には大切に梱包しないと割れるだろうが夢見るのは自由だ。 _/_/_/_/_/ 現代美術展も常設展も書く事が沢山ある。三十年も知らずに過ごしてきたのが惜しい。

zekku0072

  逆夢、平聲三十韻其二十。 飣餖是硨磲。充塡便便臚。荒唐年始夢。塊獨処恬虚。 韻魚(上平)、仄起、五絶。 飣餖は是れ硨磲。便便たる臚を充塡す。荒唐たり年始の夢。塊獨として恬虚に処り。 注釈。題名、事実と反する夢、本来は悪夢を見た人に対して励ます語。飣餖、餖飣とも、飾り用の食べ物。硨磲、貝の名前。便便、丸々と肥えたさま。臚、肚。荒唐、取り留めのないさま。塊獨、ぽつねんとして目立つさま。恬虚、心が凪いで囚われの無いさま。 実際に船盛や三鞭酒の金字塔を見ると卒倒するので現在の食生活に満足しています。限界迄食費を掛ける所存です。

zekku0050

  嘆老父、平聲三十韻其十。 已矣禿阿爺。悾悾老面赮。一瞋於孝子。坎坎若呑茶。 韻麻(下平)、仄起、五絶。 やんぬるかな、禿阿爺。悾悾として老に面赮し。一たび孝子に瞋らるれば、坎坎として茶を呑むがごとし。 注釈。悾悾、愚直なさま。老、常に。赮、赤い。瞋、怒る、怒った目で睨みつける。坎坎、不満なさま、不安なさま。呑茶、茶を丸呑みする、一般的な喫茶の意ではない。 身近な人に怒りが向く癖をどうにか直したい。憤らない人間になりたい。だから頼むから静かにして、ほんの少し賢くなって下さい。其の為に数位解毒をお薦めしているのです。朗読や作句は愁いを遠ざけますよ。端末から情報を垂流しておいてお前は世の中を知らないとはどの口が仰るのでしょうか。妻と草取りや園芸を楽しむのも有意義ですよ。 _/_/_/_/_/ 即座に端末のレンズとマイクを塞ぎ、位置情報を切れ。生産国を問わずに都て。

haiku0249

  塋域の櫻よ永久の榮華たれ 櫻が儚いのは此の世だけで充分。あの世は蜉蝣も飢えに苦しまずに一年生きられるような長閑さであって欲しい。 𤇾が好きだ。酗醟や熒惑や縈青繚白や犖犖や犖独や瑩琇や海底撈月や滎瀯を見ると落着く。常用漢字では螢、營、勞等が含む。篝火の与える安らぎに通じる。一時期流行ったソロキャンの気分か。シャトーの炉端の心地か。煤煙が烈しいので実際には蠟燭を焚く位だが。 _/_/_/_/_/ 命令形の多用は洋詩被れが原因だろうか。それとも、周りに求めすぎるのだろうか。

senryu0036

  のこのこと精衛塡海してんかい セイヱイテンカイ、セイヱイうみをうづむとは無謀を企てて徒労に終わる事。セイヱイは山海経に見える鳥の名前。溺れて儚くなった炎帝の娘が化した鳥で自分を殺した東海を恨んで埋めようと画策し木石を運び続けているという。 ノコノコ(koopa,諾庫亀)と二人で海に石や枝を投げ入れ続ける遊びをするのならば喜んで。え、あの愛嬌のある亀さんとは無関係ですか。じゃあいいですぅ。 真面目に云うと辺野古を埋め立て始めて12月14日で6年となったそうな。天長地久の如きが通例の御上の土木工事案でさえあと9年かかるという。達磨が悟ったり枇杷が咲いたりする程だ。天帝が愚公を一笑に付して切り捨てなかったのは理念が切で合理的だったからだ。現在、超常的と考えられてきた地形を動かす力を人類は得た訳だが、果たして基地建設は愚行ではなかろうか。お天道様に顔向けできるのか。島人が受け継ぐ美ら海を汚す大義はあるのか。富裕層向け宿泊遊興施設を拵える経営者共にも問いたいが、開発は last resort ではないのか。半世紀もせずに海に沈む構造物を建てて得意になるのは底が浅いと云わざるを得ない。(Where the good and the bad and the worst and the best/ Have gone to their eternal rest. --- The City in the Sea by E.A.P) 画一的でない土地に合わせた軍事施設を設計した方が、構造を読まれ難くなって防諜やテロ対策に資すると思うのだが。最大の戦略は難読性にある。兵は詭道だから。 _/_/_/_/_/ 個人的にはメット(buzzy beetle,鋼盔甲蟲)も愛らしいと思う。DS版の描写は薄気味悪かったが。甲羅の陰に赤い目が赫赫としていたのは作画担当の新趣向だったのだろうか。平べったい水色の甲羅に円らな目の仔を見たいのだが、検索しても出てこない。 まあ、辺野古のこの話題は二回目ですがね。 一回目はこちら。 _/_/_/_/_/ 暫く宣伝します。 別館1,統合・退行線と其の垂直二等分線

haiku0121

  垠堮の䬹人よりの稲の波 堮(ガク,U+582E) 䬹(チツ,U+4B39) ギンガクは限り、果て。チツジンのチツは恐らく地名と解するのが正確だろう。併し、一説に稲を刈る人とあったので今回はそちらを採用した。金偏の字に通じて小鎌の意味ともあった。 果てしない田圃を向こう際から刈り取っていくコンバインが黄金の波を立てて進んでいる。陳腐な表現に落ち込まないように難解な漢語を持ち出す悪癖がまたもや。ただ、稲を刈る人、則ち育てた農家の signifiant (i.e. signifier in English)が食をして至らしむと訓めるのが琴線に触れた。まるで炎帝と我々とを繋ぐ神主を象徴する聖刻文字(hieroglyph)であるかのようだ。資本主義の辺際なる社会の根柢たる敬虔な禰宜を少しくらい神聖視しても罰は当たらないだろう。命のマイニングに励んでいるのが渠等なのだから。