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zekku0052

  遣悶、平聲三十韻其十二。 越俎屢噬臍。頑愚匪突梯。衆人無解語。懲臛吹醃齏。 韻斉(上平)、仄起、五絶。 越俎すれば屢臍を噬む。頑愚にして突梯に匪ざればなり。衆人語を解する無し。臛に懲りて[同日脱字修正] 醃 齏を吹く。 注釈。越俎、職分を超えて差し出がましい事をする。噬臍、悔しさを抑えきれない様。突梯、圭角の無い様、世の中に逆らわない様。結句、臛は汁物、醃齏は漬物、失敗に懲りて必要以上に慎重になる事、懲羹吹膾の四字熟語の方が人口に膾炙している。 鼯鼠が相手の語彙の無さ及び意味を調べようとしない態度を詰れば、分かりやすく書けとの仰せを返される。南華の悔いの典型だ。おっかなびっくり提出すると今度は無味乾燥と評されたら良い方で大抵無視される。具体や一般的な情緒を持たない凡人にはあらゆる言葉を駆使するしか闘う術が残されていないのだ。抒情詩人としての才能の欠如に嫌気が差す。尤も、プラトンは共感だけの作品を排斥すべしと述べている訳だが。 _/_/_/_/_/ 流石に話す時に奇を衒ったりはしない。時間の無駄だから。但し、落語の枕のような目的を持った表現を試みる場合はある。

zekku0049

  日本、光照派遊戯札。 儵忽大瀛頭。將成富國疇。蟻螻穿七竅。背嶺起危樓。 韻尤(下平)、仄起、五絶。 儵忽として大瀛の頭、將に富國の疇に成らんとす。蟻螻七竅を穿ち、嶺を背にして危樓を起つ。 注釈。儵忽、にはかに、又、人為の譬え。大瀛頭、太平洋のほとり。疇、たぐひ、範疇。蟻螻、ありとけら、小人の譬え。七竅、七つの穴、荘子応帝王篇末の渾沌と儵忽の話より、文明が自然を害う寓話。結句、背 山 ○ 起楼の換言。 イルミナティの日本の札には旭日を背景として列島上に摩天楼が林立している。様々な解釈があるが、発売した平成初期当時の情勢を顧みて詠った。当然文明批判を含む。多分今も経済厨 (economic animal) と嗤われているだろう。データセンター、電波塔、総合商社、官衙、タワーマンション等のバベルの塔を解体すれば、和の心が疲弊した自国及び世界に癒しを与えるのではなかろうか。 所でパラメータの符号が誤っているような気がする。支配力と影響力をマイナス二倍した方が肯綮に中るだろう。滑稽だ。尤も、未来は変えて見せる。 _/_/_/_/_/ イルミナティカードの陰謀論を時々耳にする。一枚ずつ賦すのも良いかもしれない。タロットを刺戟とした作品が存在するので可能だろう。山海経を詠う陶淵明が現代人ならば屹度見逃さない。* *

zekku0011

  自哀。 截句能誇詡。其他殫呰窳。駑駘驁驌驦。墨客宜貧窶。 韻麌(上声)、仄起、五絶。 截句能く誇詡す。其他殫く呰窳。駑駘驌驦を驁る。墨客宜しく貧窶すべし。 注釈。截句、絶句。誇詡、大袈裟に言って見せびらかす。 殫 ○ 、 尽 ● 、 悉 ● 、平仄の関係。呰窳、怠けて失敗する。駑駘、歩みが遅く役に立たない馬。驁、あなどる、相手を馬鹿にして威張る。驌驦(馬+霜)、昔の駿馬の名前。 類想を風変わりな韻で調えた。自分用の漢字練習帳。転句を蚍蜉大樹を撼かすにしようとしたが、樹の部分の平仄が合わなかった。然も意味不明。馬を並べたこの句も大概だが。ショーペンハウアーの指摘したように、見慣れない表現に眩惑されて凡作を有難がってはならない。 _/_/_/_/_/ 季節感の乏しい形骸を量産するくらいならいっそと思い始めた絶句。今月だけで十一首でした。来月は秋の俳句を詠尽くしとうございます。気候次第ですが。 _/_/_/_/_/ それなりに重要な告知(別館)

haiku0310

  努努泥犂にな入りそ歩め螻蛄 螻蛄の水渡りや螻蛄の五能(七つ芸とも)抔と貶される生き物の会会員第三号。 鼯 と 蟹 の仲間。そんなに器用貧乏が気に食わないのか。それとも老婆心だろうか。乳母日傘である。 螻蛄の捕食者は或る種の蜂だ。地上に出れば命の危険がある。それなのに、根の国のような地底に潜り込まずに地上を歩むよう勧めるのは果たして親切だろうか。陽光の下でしか物が見えない有象無象の自慢を聞く価値があるのか。屹度、ドワーフの王国とか恐竜たちの住処とかノームの宝物庫とかあると思う。想像に過ぎないと非難されるので現実的な例も並べる。植物の根の立体構造とか地層の綾模様とか鉱物の煌きとか清らな地下の水脈(みを)とかが見られると思う。底つ下が忌々しく感じるのはその脆弱な感覚器官のせいではなかろうか。蟋蟀と近縁と雖も生活が全く異なるのだ。 それでも歩みたいと思わせる何かを貴君は能く用意なさると豪語するのか。それとも、哀れな虫の住処を農業の為ならまだしも、宅地や会社の為に壊してしまうのか。そういう態度が冥途に押し込むのではないか。兎に角、強く生きて欲しい。