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zekku0179

  氣田汲水、丙午六月。 雲忽到溪流。雷轟雹打頭。與耆纏濕布。闊達忘殷憂。 韻尤(下平)、仄起、五絶。 雲忽ち溪流に到る。雷轟き雹頭を打つ。耆と濕布を纏ふ。闊達として殷憂を忘る。 注釈。濕布、霑衣の意味、医療器具ではない。殷憂、大きな愁い。 確かに驟雨の予報を知っていたが、まさか水汲みの十五分間だけ降られるとは思わなかった。落雷がなかっただけ良かったと思う事にする。梅雨は何処にあるのやら。

zekku0056

  不羈、平聲三十韻其十四。 周旋尊佞巧。朝令爲攸嘲。一瞥褒顔鮑。心中退斗筲。 韻肴(下平)、平起、五絶。 周旋して佞巧を尊び、朝令嘲る攸と爲る。顔鮑を褒むるを一瞥し、心中に斗筲を退く。 注釈。周旋、間を取り持つ。佞巧、口先だけの人、世知辛い(世渡り上手の)人。朝令、政府の仰せ、又、朝令暮改の略、厳密には両者は発音が異なるが共に平声。顔鮑、顔延之と鮑照、六朝時代生前から有名だった詩人二人、謝霊運を含めて元嘉三大家と称する。斗筲、十升(一斗)のますと十二升の飯櫃、僅かな量の譬え、器量の小ささや俸禄の少なさを言う事もある。 隙あらば詠懐。承句を欲開炮としていたのだが、炮は大筒(砲)に通じ去声だった為改めた。後半が点鬼簿になっているが、要するに乱世に時めく詩人ではなくて靖節先生のように暮らしの愛しさと静かな激情を詠い続けたいという決意。五言中心なのも潜移暗化か。(魏晋南北朝は四言五言が大半で七言の作例は目立たない。近体詩理論の摸索期でもあったのだ。) 台湾周辺の軍事問題には明言しないよう牢記済みだったと官僚が答弁した。暗君の梯子が外され始めている。 _/_/_/_/_/ 類音を並べるのが最近の趣向。紛らわしいので本来は二韻か三韻かを明記すべきだろう。気になる時は漢和辞典や平仄検査器をどうぞ。 [20260317訂正; 作攸嘲→爲攸嘲、爲も仄声でした。]

zekku0021

  詩病。 樗材痛腱鞘。網友怖潛蛟。惡句無煩雜。惡能止瞎跑。 韻肴(下平)、平起、五絶。 樗材は腱鞘を痛め、網友は潛蛟を怖る。惡句煩雜なる無かれ。惡んぞ能く瞎跑を止めんや。 注釈。樗材、樗櫟散木の人材、自己の謙称。網友、ネッ友、大陸では網民と同義語、 netizen。潛蛟、潜むみずち。瞎跑、盲滅法に走回る、又、何も考えずに従うことの譬え。瞎の原義は片眼が物理的に他人から見て分かるように潰れている事。跑は俗語又は現代語で走る。 詩の病が治まりそうにないので諧謔に昇華してみた。悪の字から転結が始まるが、読み(平仄)と意味が異なるのは前述の通り(義義悪悪悪悪の自由律俳句参照)。害のある想像と決付けているのが問題なのだろう。 所で、聡明な諸君はお気づきかと存じますが、歌の病にも罹患している。同音を重ねるのは禁忌だとした歌論があるのだが、鯫生は敢えて踏抜きに行っている。抑有効な慣習ではないのだが折角打立てた権威に些か申し訳なく思ってはいるのだ。

zekku0009

  令息之點心。 拎袋來由校。豆沙丸麵麭。零錢未盡乎。怜悧於交鈔。 韻效(去声)、仄起、五絶。 袋を拎げて來ること校よりす。豆沙の丸き麵麭。零錢未だ盡きざるか。交鈔に怜悧なり。 注釈。拎、下げる、スーパーの小さなレジ袋等の持ち方、尚、提はより重い物に対しても用いる。校、学校、学び舎。豆沙丸麵麭、小豆餡の丸いパン、あんぱん。零錢、零用銭、小遣い。於、~について、関於に同じ。交鈔、紙幣、元来は金及び元代の手形を指す。 連続電視小説が終わったので麵麭で韻を踏む。子供は命令せずとも、否寧ろしない方が伸び伸びと育って思いがけぬ才能の片鱗を顕すものだ。金勘定が上手い事が誇るべきかどうかは別として確実に生活の苦労が減るだろう。持ち手がびろびろになっていたので予測はしていたが御八つはぺっちゃんこだった。 後から聞くと近所の方に頂いたらしい。ちゃっかりしている。金は総て貯蓄していると宣う。吝い。誰に似たのか。 _/_/_/_/_/ 遂に仄韻詩で孤仄を挟んでしまった。良いのだろうか。あんぱんを頬張りたかったので致し方ない。其処は無関係だが。 漢詩の文字を大きくしました。[0926]

haiku0199

  円居の子死語の褞袍に纏はれり 東亜細亜出身の方が日本語は堪能なのだが、半纏を理解していなかったと小耳に挟んだ。却って褞袍の方が通じるかもしれないと応じたら、それは死語だと返された。併し、中国語の辞書には半纏だけが載っていなかった。勿論、どてらと発音するのを知っている方はごく少数だろうが、意思疎通のしやすさでは遥かに凌ぐと思う。兎に角、伝統的な防寒着の知名度に差はないと愚考するのだが。 幼子には略式の冬羽織よりも寧ろぶかぶかの褞袍を着せたい。お化けにのしかかられているようなのが可笑しいのだ。一寸想像して噴き出してまった。何時かつんつるてんになった服を見て想起したいものである。