haiku0121

 

垠堮の䬹人よりの稲の波


堮(ガク,U+582E) 䬹(チツ,U+4B39)

ギンガクは限り、果て。チツジンのチツは恐らく地名と解するのが正確だろう。併し、一説に稲を刈る人とあったので今回はそちらを採用した。金偏の字に通じて小鎌の意味ともあった。

果てしない田圃を向こう際から刈り取っていくコンバインが黄金の波を立てて進んでいる。陳腐な表現に落ち込まないように難解な漢語を持ち出す悪癖がまたもや。ただ、稲を刈る人、則ち育てた農家の signifiant (i.e. signifier in Engilish)が食をして至らしむと訓めるのが琴線に触れた。まるで炎帝と我々とを繋ぐ神主を象徴する聖刻文字(hieroglyph)であるかのようだ。資本主義の辺際なる社会の根柢たる敬虔な禰宜を少しくらい神聖視しても罰は当たらないだろう。命のマイニングに励んでいるのが渠等なのだから。

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