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殿方の浪漫からっと分光器


carat(米karat)は此処では金の純度、24分位だ。

贋作は衆人の期待が生出す。謎に包まれた最初期、修業時代、表舞台から退いていた頃、秘密裏に知人だけに配った試作。温床だ。騙されぬには騙された事を検証せねばならない。

以前鑑定団で籠球選手用の有名な運動靴が出ていた。一角獣と渾名されているらしい。評価員によると、本物で5,000,000円也。但し、解説が疑わしい。雑誌の写真で見ただけで、本物を知らないと。剰え、十八金の箔と推定する部位に四十年の経過の緑青が無いのを怪訝に思い乍ら、分光器に掛けなかったそうだ。抑、銅交じりの金は文字通り赤っぽい呈色があって然るべきだが、若干霞んだ白で劣化が無かったので真鍮かと観察出来る。勿論画面越しなので確かではないのだが。とは言え、物理的に反射光譜を検査すれば歴然である。これ位は番組も予算を出してくれるだろうから、調べて欲しかった。此の測定にお宝は殆ど傷まない筈である。依頼人が由来を出品者に尋ねる事無く即決したので全く信用できない。宝石や鉱物は必ず掛けるのだからそのような慎重さが必要だったかな。

蒐集家蓋復習高校之全教科書。拙文を御理解になってから始められては何奈。精々十万円分の書籍を贖い読破する清暇を惜しみなさるな。博物学は総合科目であります。転ばぬ先の杖とお考えになって下さると嬉しゅうございます。声価を落とされずに済むと愚考します。

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米の線量と粗悪品のぎらつきと如何程の径庭があるのか。後者の波動(自然科学の意味)は身体に無害且つ目で確かめられるものである。美術品鑑定を蔑ろにする輩に果たして健康な食生活は送れるのだろうか。

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