haiku0196

 

春永を眺め居てはる菜椿象かな


ナガメ、ずっと瓢虫の突然変異だと思っていた。文字通り菜花を吸うカメムシの仲間だ。尚、歳時記に亀虫を載せるのもあるが、細頸芥虫科の昆虫の別名でカメムシ科とは無関係だ。ナガメは四月頃に油菜に集るのを見かけるようになる。

冬至から一月経って日が長ってきたにも関わらず寒いままだ。成虫で越冬するらしいが、草葉の陰から物憂げに寒天を見遣る個体もいるのかもしれない。そんな渠に少しの親しみと尊敬とを込めて詠った。

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長めと眺めは語誌を辿ると文法韻と結論できるかもしれない。他の押韻には汝が目もある。長閑で心地よい響きである。安寧の菜椿象を(自)己が目に映し、安寧하세요とご挨拶したいな。

安寧も静順も冬の類語らしい。静順は滑稽雑談にある。

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