haiku0168
茨線凍つ笑つて地輿に入りし伽羅
金網の上下に有刺鉄線を巡らした壁が地平迄続く。辺境の砂漠を冷風が吹き荒ぶ。次の事が思い出された。
後漢の韓韶が食い詰めの難民に食べ物を与えた。領民に非難されて次のように答えた。「溝壑の人を長活して、此を以て罪に伏さば、笑を含みて地に入らん。」(今にも行倒れそうな人を生かして、それによって罪を受けることになったならば、笑って逝くことができるだろう。)
杉原千畝氏が責められている。美国では国境を聳やかした峻厳(俊彦に非ず)が再選を果たした。鯫生が入国管理の職にあったならば夜中にペンチを持って出歩いたかもしれない。流氓からは伽羅の字も伽羅を言うも要らない。ただ、君が気高く安らかに歩める世の中に寄与したいだけだ。
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米国の治安は最早敗戦直後並みで、戒厳令を発すべきだろう。網を潜らせた所で別の地獄に放り込んだに過ぎないのかもしれない。如何ともし難い。
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