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6月, 2024の投稿を表示しています

haiku0053

  形代が黒し草書の懺悔文 形代は禊、祓、祀等で使う身代わりの紙の人形だ。季語として使う時は夏越の祓の物を云う。 一瞥したときに呪詛かと思い戦慄した。よく読むと、個人情報はないものの過ちを具に書いてあった。表現しても晴れないだろう鬱屈を見た。 形代で印象的な俳句がある。ただただ秀逸だった。 形代や何でも水に流す国     橋本喜夫(銀化)

haiku0052

  茅の輪抜けシロノワールの我がリアル インスタ蠅観察日記。明日の投稿は茅の輪とシロノワールでしょう。5年ぶりに夏越の祓(陽暦)の日が土日にあたるので会社員の投稿が増えると予想されます。 リア充爆発しろ  追記;リア充代行サービスなるものもあるらしい」 今でも猖獗を極める感冒を治めようと祈禱している神職の皆様もこういう無邪気な人々を見ると少しは安心できるのだろうか。

haiku0051

  早仕舞猛雨に撓(しな)ふ濃紫陽花 紫陽花は濛雨に似合う。併し日照りが続いたり猛雨に襲われたりで今年は散々かもしれない。 飛雨の日は客がいないので昼に閉めてしまう。そうして静逸に読書する。雑音が搔き消されるので安心できる。

haiku0050

  梅天や買櫝還珠のバイト君 バイトククヮンシュ/はこをかひてたまをかへす 出典;韓非子外儲説左上 出典では墨子の説が何故[論理的で]くどくどしていて飾り気がないのかと聞かれ、それは言説が楽しまれ本意を忘れられることを恐れていたからだと答えている。そこで出てくるのがこの例え話だ。後は幾らでもネットに載っているので調べてほしい。八重樫氏の今日の四字熟語・故事成語が日本語では一番詳しい。実はこの前にももう一つ挿話があるのだが、時代に合わないので興味のある方は躬ら調べられたし。 この句にはどんな皮相を観たのか書かれていないので、愚句だとは思うが、 口に出せない事がある~口に出しちゃいけない事がある~♪

haiku0049

  日傘差す日日紫陽花のかさかさと しっとりとした紫陽花を見ることは叶わないと悟った。黴雨は何処に消えたのだろう。狂っている。 一週間前は上記のように感じたのだが、漸く梅雨めいてきた。とはいえ、豪雨が多い印象だ。 嵩増さぬ川や傘差さぬ日日とも書いたが否定が像を結ばなかったのでやめた。韻はよいのだが。

haiku0048

  まんじりとせず漫漫と夜の海霧 漫漫は(1)夜の長いさま(2)広く遥かなさま(3)靄などの一面に立ち込めているさま(4)行動の緩やかなさま(5)品行のおさまらぬさま。しまりのないさま とある。 まんじりとは(1)(否定形で)眠らないさま(2)じっくりとするさま、まじまじ とある。 航海士の夜番は感覚を研ぎ澄まさねばならない。死の危険と背中合わせだ。だが、どこかでしまりのない瞬間ができてしまう。霧の中で今日も事故が起きるかもしれない。自衛隊の訓練航海が大変そうだなと思った。

haiku0047

  爛漫たる路端へ五片竹落葉 或る花園を過日訪れたが連日の夏日にも関わらず紛葩爛漫たるさまだった。確かに綺麗だった。だが、印象に残ったのは近くの竹林から降ってきた落葉だった。どうも群れに対する忌避感や焦燥感が障阻するのか、記憶に残そうとしても過ぎ去ってしまう。 竹に関する季語はほかにも竹の秋(晩春)や竹の春(仲秋)がある。竹の落葉(初夏)もそうだが、一般の植物の季節感とは異なる。 爛漫には性命爛漫という用例が荘子在宥篇に見える。これは散乱するという意味らしい。他にもゆったりと歩くさま、あてどなくさまようさまなどの意味が漢和辞典に載っているが、出典や用例が不明なので使いようがない。多義語の難しいところだ。

senryu0010

  一端の小僧が云ひき馬歯徒増 鯫生が若い時にバシトゾウと云ったら、それは嫌味に聞こえると注意された。正直に言って、自分の人生を肯定的に捉えられる要素が皆無だった。だから、徒に年を食っただけだというのは主観的には肯ぜざるを得ない事実だった。 ただ、年上の人がいる場所で使うと、洵に反論の余地が無く皮肉にしか聞こえなかった。謙遜するのが美徳という謎の空気の中流してもらえたならば、僥倖だったと今は思う。

haiku0046

  リビドーや背に微動だにせぬ真蟎 季語を裸にしたら一発で発禁であろう。抑面白みも深みも無く明け透けなだけだ。 雌のマダニは食い付いたら一週間以上、時により一月程も動かない。ぱんぱんに膨れると数百以上の卵塊を産んで死ぬ。こんな凄絶な業を見ると屹度虫にも性的な衝動があってそれに逆らえないのだろうと哀れに思う。 実際にマダニを見付けたらそのまま何もせずに直ちに医療機関へ行くこと。また、予防の為に叢に近づかない、長袖の服を着るなどの対策を忘れないように。 このブログが閉まったらこの記事のせいかもしれない。

haiku0045

  サッカーは来た見た勝った夏至の宵 サッカーの観戦に誘われたことはあるが、あの鬧熱に溶け込むことはできないと思った。抑テレビで見たほうがよく見えるし聾するような声の盈ちる所は御免蒙りたい。最も短い夜をセンセーションに委ねて楽しむのは憧れるのだが。

haiku0044

  薄めたる汁夏季賞与崩れ去る 物価高で今年の夏のボーナスなど有名無実なのは明明白白だ。そこでインスタントの汁物を薄めて飲むのは案外理に適った節約法かもしれない。減塩で健康的かと思われる。 この句は韻をggrksで作った。この言葉は非常に下品だ。それよりも"Let's DuckDuckGo!"の方が良い。トラッキングもなく専用ブラウザで広告ブロックもできるのでお勧め。当ページも家鴨さん用のSEOを最低限している(実質はBing対策なのだが)。その一環として、SNSなどでも宣伝してもらえると非常に喜びます。公序良俗に反しないリンクもご自由に。( BloggerはGoogle傘下ですがなにか ) 但し、β版とはいえ、ブラウザの検索窓の使いにくさは如何なものか。苟も検索エンジン屋を名乗るならばここだけは改善してほしい。具体的には予測入力が邪魔。あと、パソコン用にはAltキーでメニューが開けるようにしてほしい。 プライバシー保護は広敷すべきだと思う。但し、犯罪者は断乎ggrgmks。

senryu0009

金襖子へ ゲコと鳴けと蟇の贔屓の引き倒し その人の為を思って行動しても、却って害を与えてしまう。それをひいきのひきだおしと云った。親切な人の陥穽だ。 逆にゲコと鳴かなくてもいいと云う人もいる。個性を尊重する。但し、嫉妬が烈しい。 多様性の社会と云われて久しいが、どこもかしこも没個性。そんな気がする。

haiku0043

  螺湾蕗コロポックルらは巨水へ ラワン蕗は6月から7月が旬の北海道のラワン川周辺原産の巨大な蕗だ。茎の太さが8糎で高さは2米。こんな大きさだから蕗の下の人の背は云う程低くなかったと思われる。 アイヌとコロポックルの不和とは何だったのか結局不明だ。兎に角渠らは北の海へと旅立ってしまった。ころころと笑う声はもう聞こえない。

senryu0008

  矻矻(コツコツ)とオルカン忽とすっからかん 投資は詭道だ。併し勧める人は同じことを言う。投資詐欺広告も氾濫している。世を挙げて金融商品を持て囃す。 例えば詐欺師に壺の売り方を聞きたい性分ではあるのだが、笑殺し黙殺されるだけだろうとは思う。 或る人の詐欺広告が出た。『投資なんか、おやめなさい』を出版していた。滑稽でしかない。 難平を根気よく続けられれば上位10%には入るとか。尤もその全員が儲かるかは不明。 応援したいと思った株や債券を買って売らずに持っていればいいのではないか。金を使った合法的な政治・経済活動だと思えばいい。plutocracy

haiku0042

  バーテンの秋霜五寸夏の宵 バーテンダーが氷を刀で斬るのがかっこよかった。忍者と名付けるなんてとんだ伊達者だ。とはいえ存外に熟練を要するので只者ではないのは確かだ。 秋霜三尺という語がある。切れ味の良い刀剣の形容に使う。そのまま使うと三尺は九十糎で長すぎるので、五寸つまり十五糎にした。 氷斬るバーテンの刃や夏の宵としていたのだが、氷切るが採氷の傍題で紛らわしいのでやめた。客の企佇する様が描けたので良しとする。

haiku0041

  蠹居棊処(トキョキショ)はきしょい我党(わタウ)と今日も汗 作業員を見下す人がいるらしい。生活基盤を管理しているのは最終的に資格を取る人や院卒といった専門性の高い人々だ。JTCのBSJを夢見る者には到底受け入れられない真実らしい。君子は物を役し、小人は物に役せらる。物に簸弄され人にハローとだけの渠等は何者だろうか。 この句は季語が河豚だった。天上人を庶民の身で書くのは笑止千万と思った。上級には専従の桂冠詩人がいるであろうから鯫生が嫉悪で詠んではならないと戒めた。抑機械的に消費される河豚に季感があるのか。

haiku0040

  紆余委蛇の8番出口走馬灯 8番出口の通路が云う程曲がっていないのは云わない約束。単調な繰り返しの中にホラーやスリルがある。感覚の試されるゲームだ。8番ライクなんてジャンルも出来た。五月の末に8番のりばという作品がリリースされた。 走馬灯は現代ではお盆の時期にしか見ないので秋の季語としている歳時記もある。元々は短夜の娯楽だったらしい。単調な繰り返しの揺らめく灯が心を和ませたのだろう。

haiku0039

  萍と沈める蹄賀の初め 賀の初めは初老即ち四十のこと。以降十年毎に長寿を祝った。目出度と云うは裏也賀の初などという句も俳諧広原海にあり年を取った感慨に浸る頃だ。 四十になっても定まらず起居し拮据するだけ。今は殆ど馬等と旅に出る人はいないだろうが、いつの時代も狂瀾に呑まれる人々はいる。ツァイトガイスト(Zeitgeist;時代精神)は常に似たようなものだ。

haiku0038

  六月の天空海闊(クヮツ)の教会 五月に情報番組で神奈川の有名らしいチャペルを紹介していた。海の方向に窓硝子が一面に張ってあった。 インフィニティ感が凄いと仰っていた。なんというアペイロンとか言い回しがあるだろうと思ったが、どうもSNSで流行った言葉らしい。インフィニティ風呂なるものも。一応このような言葉も侍ると申し上げておく。海闊天空とも云う。大陸では現役の言葉で似たような写真が出てくるので検索して比べてみてほしい。 追記7月3日: アペイロンもインフィニティも天空海闊も五十歩百歩な気がした。果てしなき浴槽はどうだろう。果てしなき欲望とかけて。 なんか成人向けの題名にありそうな気がしないでもない。

haiku0037

  漂漾(ヘウヤウ)の裸虫捕へり銀梅花 saunter, wander 彷徨っていると銀梅花の香りと枝ぶりと花とが気になりふらふらと寄って行った。 地中海原産の植物。英語でmyrtle、伊語でmirto、独語でMyrteと云い、古来から使われた香辛料でもあった。ミルトという酒がある。ミルテの花という曲もある。ポーの詩 For Annie にも薔薇と並んでさりげなく紛れ込んでいる。日本では未だ歳時記に載っていない。 他にも感じ入ったことがあるのだが、それは来年に取っておきたい。

haiku0036

  時の記念日山霤(リウ)の穿つ石 生活改善同盟会が発意し、漏刻の設置を記念して選定とある。アフリカや中南米の大都会でない所だと山中ではないが暦日が無いようなものである。それでも世の中回るのだから、デジタル時計に汲汲と従わなくてもよいのではないか。抑情報技術の発達で同時性を求められない世界がやってきたと思う。 山霤穿石は点滴穿石に同じで雨垂れ石を穿つという意味。だが、ここでは精励恪勤を称揚し(また慫慂し)ているのではない。朝廷で管理する前から時は存在していたという事実を述べている。悠悠邈邈たる天地を思う日でもあるのではないか。

haiku0035

  野外れに肥ゆる田ありき小揺草 小判草(別名小揺草こゆれぐさ)は気付いたら蔓延っている。よくあることだが、明治時代からの新参者らしい。あの小穂が文字通り小判だったらと思う。愛楊葉児のようなものだが。 漢語では大凌風草。凌風草は中小判草。姫小判草もあるよ。 唐突だが、陶淵明の帰去来辞が好きだ。兎起鶻落の快い田園詩文である。後何を書こうか忘れてしまった。

haiku0034

  走り梅雨明けたり会津百合祭り 姫小百合(別名会津百合)は福島、新潟、山形、宮城の一部に生息する高山植物。越後では今年は五月中に散ってしまった。熱塩加納では空色の袖を着け両手に姫小百合を掲げた一団が百合の丘の階段を下る列が見られた。碧落一洗に似合って美しかった。

haiku0033

  瓶詰にさる花喰ひし蛞蝓(なめくじり) 蛞蝓の食害を防ぐために、夜懐中電灯を持って一匹ずつ捕まえる。瓶詰にされたそれは特級呪物以外の何物でもない。なぜこんなにも沸くのか。どこに隠れているのか。

senryu0007

  ぷらっとば~す口を噤めと警備員 メタバースと福祉の門外漢が容喙するのもあれだが、口を閉じる(手動)と警備員(手動)は如何なものか。設定でチャットやマイクをオフにしたり、細かくエリア分けするなどしてローカルチャットができる場所とか作ってもよかったのではないか。NGワードもある程度は効果的だと思う。 とは言え、この箱物自体には将来性がある。レトロなオンゲのようなインターフェースは安寧を齎す。同時接続数を増やしたり、相談員を常駐したりなど検討の上で予算をつけて常設してもらいたい。屹度希望となる。

haiku0032

  万緑の陰蘚磴(セントウ)と石水母 万緑の陰も都てが緑なりと云う句意。森閑な苔生した石段とぶよぶよした藻類群。苔が有難がられて藻類が迷惑がられるのは世の常。まあ、綺麗な所ならば石水母は食用になるらしいので、食べるが宜し。

haiku0031

鉄道や七竅(シチケウ)に死せる翠巒(スイラン) 鉄道と云えば三幸コーポレーションのCMソングが脳にこびりついている。シビアだがビブラートに包めばどうにかなるのかもしれない。いやポップな歌だが。 荘子応帝王篇に渾沌と儵忽の寓話がある。自然を人為が害うという話だ。つまり、昨日と同じ話を続けたに過ぎない。

haiku0030

  涸清水劈(つんざ)くリニアモーターカー 清水の欄を見ているとこんな傍題があった。誰が使うのかと謎に思って調べてもなかなか出てこないので作った。 よく御伽噺のエルフやドワーフやノームは水源を避けて土を掘る魔法や技術が使えるとされている。破砕帯を破裂させずに掘る方法がないものか。 抑、赤石山脈を迂回する経路案はどうなったのか。再考してもよいのではないか。

senryu0006

  プベルル酸食はさるる三匹の鼠(ねず)   健康食品や薬に頼るのはやはり最終手段と思ったほうがいい。 動物実験で色々な物質を投与される鼠達だがどうせなら賢くなるとか体力がつくとか長生きできるとかそういうものを与えたい。悪くなるのが自明の薬品を与えるのは心苦しい。

haiku0029

  電波の日地球の声の金円盤   ボイジャーが解読不能な信号を送り始めたときは宇宙人が来たかと思ったが、単なる機器の劣化だった。 ボイジャーは内部に地球の声と題された金円盤を積んでいて、各国の挨拶や音楽、自然音などを収録している。いつか系外惑星の電波に乗ることがあるのだろうか。それとも宝物庫に死蔵されるのだろうか。多分金鍍金に気付かずに溶かされるだろうと思うが。況してやカバーのウランに気付くのだろうか。