tanka0022
坊間に言近旨遠は多かれど現金支援したきやはある
福翁のヌゝメを読んでいるが、奢侈文弱であるから四編及び五編に惹かれる。それ以外は平易に経常を述べる体でノベルティ(新規性)がない。(鯫生は neophilism かぶれではないと一応弁明しておく。) とは言え実用書なり自己啓発本なりはこれと蝸牛庵主人の努力論で充分と云える程の価値はある。貧者の一灯を献じたい顕学は洵に尠い。謂われなき謝儀を突っ返す大人が殆ど。折角見つけても逝去した後。金を払う宛てが無いので後世を畏敬し教誨することを婉曲な間接的な恩返しとしておきたい。
頭の良し悪しの指標は寓言や換言の巧みさばかりが取沙汰される。又は知能指数の高低なる所謂健常者が無縁法界の概念しかなかった。だが、近頃剴切で身近な定義を聞いた。或る数学者に依ると抽象的な語を理解できるかだそうな。続けて具体例を挙げて九歳の壁の困難さを説いているが本文を探せば済むので一々述べない。また、周囲の虚けを吊るし上げる論客も多いので此れにも触れない。
抽象と具体を試しに語ってみる。具体(concrete)を扱う職業は建設業で、抽象(abstract)に心血を注ぐのは学者だ。これは言葉遊びなので真に受けないで戴きたい。ところで詩は抽象だが、具体的な詩(concrete poetry)もある。アポリネールのカリグラム(calligrammes)が代表的だ。雨が降る(il pleut)は岩波のフランス名詩選という対訳本にも載っている。SFで字列を弄った作家も半世紀以上前には現れていた筈だが名前も題も思い出せない。誰かご教授下さい。
簡潔な抽象論と軽妙な挿話の両方を用意できる名文は中夏では南華、沖虚、鴻烈位しかないのか。文人共は千年以上何をしていたのだろう。過挙と評すべからざるまじ。
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Teには責任の意味もあるかもしれない。責任を負いたくない人を遠ざけ責任の名のもとに詐欺を続ける人が集まるので、Te偏重社会は廃すべきである。何よりも文学に毒だ。千篇一律になる。
否定が多いと理解し辛いらしい。頭の中での疑問や否定が習慣になっている方が少数派なのだろうか。
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