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8月, 2025の投稿を表示しています

haiku0355

  扇置く半目足らぬ盤の側 征当たりを仕掛けた所から火が点いて全局に広がり大寄せも無かった。小寄せの計算をするとどう頑張っても半目足らない。こりゃ参りましたと頭を下げた。清清しい風が吹抜ける。

senryu0073

  面皰 acne 取る其の故悪になりにけり 親の諭吉を一枚掠む skin を調べるといかがわしい例文が多い。米人も商魂逞しい。電視では思春期の肌の手入れ用品を鬻ぐ。喧しい。一方で昔から思い面瘡思われ面皰とか痘痕も靨とか言う。 Beauty is only skin deep. 顔の黒子を数えるのは自分だけ。肥大する自意識に売込む輩を相手にする必要は無い。時間と金と注意力は楽しみなり研鑽なりにお使いになって下さいな。 _/_/_/_/_/ 諺辞典を引くと碌でもない言回しが見つかる。此処で覚えておいて欲しい事実が一つ。俚諺の解説で一番多い記述は「俗説。」だ。何事も程々に信じましょう。 基本無料には悪質な宣伝や射幸心煽りが付随する。努々忘るる勿れ。 当方は完全無料です。ご自由に。(通信費や電気代等は負担しませんよ。)

senryu0072

  サボ悪 savoir と見做し必死に コネ取る connaître 日本人の認知、考え方 savoir は熟知している、暗記している。 connaître は顔見知りである、馴染みである。間接疑問や不定詞を取るのは savoir の方。 Je ne sais pas si les Japonais sont intelligents, mais je connais beaucoup des gens intelligents. 省力化の為には日本人が敬虔に信仰する多大なる努力が必須であるのは見逃せない。欧米人のどの層に影響されたのか分からないが、外向型や協調型に固執し過ぎだろう。持たざる物に憧れるのは自然だが、畢竟諦めるしかない。ある意味での希少種が報道等で目立つだけだと切に願っている。鯫生は無口な職人を敬愛致します。 まあ、こんな拙句を捏ねとる時点で同類かもね。 _/_/_/_/_/ 仏蘭西語習得の為には英語も出来た方が良い。似通った言語だからだ。翻訳も人工知能への質問もカレー海峡を挟んだだけの土地の文字と声の方が大きくずれずに済む。これは西欧語全般に適用出来る。 先日英検の過去問で天然痘の話を読んだ。弱毒性の牛痘を予防接種する技術を羅甸語 vacca (牝牛)に由来してワクチン(vaccine)と名付けたとあった。因みに仏語では (une) vache。英語の学習に行詰まったら他の言葉に目を向けても良いかもしれない。 勿論お供にはあれを。仏仏、英仏、仏英、仏日が揃っています。但し、仏仏の例文検索で文豪の表現を探せるようにして欲しいが。 I don't know if Japanese are intelligent, but I'm familiar with many intelligent persons. Thank you for your support and generosity.

haiku0354

  無道なる白鼻心なり葡萄棚 器用にも鉄管を攀ずることよ。敵愾心が抑えきれない。総て落とされた。所で此の獣の肉は美味しいのだろうか。あれだけ旨いもん食っといて下等だったら許されない。因みに実体験です。念の為。

haiku0353

  ばうばうの犬の小屋なる槿かな 尨毛の犬が喘いでいた夏が盛りを過ぎ槿の咲く頃となった。少しは涼しさを感じたのか数箇月見られなかった顔が覗いていた。 動物は飼っていなくて、近所でも見窄らしい荒ら家に愛犬を押込めている冷血漢はいないので誹謗中傷はお控え願います。

tanka0057

 或人の歌に應へて曰く 門構しか判らない舊字體關聯するのはなんなんだらう そう思った其処の貴方に朗報。漢字源電子辞書版ならば部品読み検索が出来ます。例えば「もんがまえ いとがしら」と調べると關聯する關の字が引けます。(残りの部分の訓読みはあげまきなのですが、音読みのかんでしか調べられないので抜かしても構いません。) なんという事でしょう。部首も読みも四角号碼も不要です。総画数索引に対して目を皿にする必要もありません。(皿ェ皿) 部品検索の最大の欠点は方法を熟知する前に覚えるべき漢字が無くなってしまう事だと或る方が仰っていました。開発陣の目論見通りの結果ではありますが。 _/_/_/_/_/ 因みに門構えの漢字でモンと読む字の部首は殆どが門構えではありません。此れは意符を主、音符を従と見る歴史的な観点に因る分類です。 部品検索や電子辞書版漢字源をお知りになりたい方は対面の機会が御座いましたら説明致します。 尚、此の方式は何故か特許申請が通っているので商業的利用は止めた方が賢明です。うろ覚えだが。

senryu0071

  濡れ手もて嘉禾大笑の米相場 米相場が落着かない要因の一つに堂島コメ平均があるのだろうか。寡占市場である米穀産業に影響力を持つ螟螣ならば簡単に内輪取引や風説の流布を出来てしまう仕組みにある。誰かがこれで儲けようとしているのではないか。不当な利益を生まないために全市民は資本を先物市場に投下すべきである。なんて鰺っても仕方がない。鯫生が得しないし、庶民を苦しめるだけだからだ。自由市場化による価格の降下は企業の合同や協定に阻まれる。実質農協に牛耳られている時点で取引現場の脆弱性を露呈しただけに終わっている。税金を投入するのは甚だ遺憾だが命には代えられないだろう。

haiku0352

  寝ねられぬ風よぎらぎら稲の波 今日も亦華胥の国を訪問出来ない熱風が吹く。夜さえも寝苦しい。一時期よりも傾いてきた日光を反射して実りつつある田圃が輝く。但し、きらきらと云った趣は無い。茹だってしまう。 新米の値段が五瓩八千円。同重量の伊太利麵の五倍から六倍である。もう穀物農家は公務員扱いで良いので米価を安定させて下さい。

haiku0351

  系統外寄生生物鶏頭花 漢字癖に頼るのもやむを得ない驚き。鶏冠花に紅色の触腕が混入していた。蜘蛛海星が陸で干乾びているようだった。母は咲き始めから気付いていて、変わっているなと思っていたそうだ。可愛いと迄仰る。肝が据わり過ぎている。異星由来としか感じられなかった。庭には槍鶏頭や紐鶏頭の類らしき物も植わっているので交雑したのだろうか。それにしても剝出しの血管の如きは中々お目に掛かれない気がする。或いは気候変動に因るのだろうか。此れが所謂綴化や帯化だろうか。 Fascinating Fasciation. ひょっとすると先祖返りか。兎に角枝分かれの少ない神経単位にも紛う程だった。同様の突然変異を御発見になった方は米欄へどうぞ。

senryu0070

  吾輩は恒に 穴開靴下 Anarchist King 貧乏でも独立した精神を。権力を撥付けるのに王様とはいやはや矛盾しているが。 筑摩新書のアナーキズムを読んだ。大杉栄氏から連綿と続く思想筋を辿った。其の苗裔が牙を抜かれた現代の引籠りやオタクとも見る事が出来ると思うと、先人に忝く感じられた。 この書物には時々しか邂逅しないが辞書を引く程ではない漢字が頻出する。それだけでも嬉しかった。何事も分かりやすく書けとの近年の要請には辟易していたのでお誂えだった。星新一氏のマイ国家の引用で始めるのも瀟洒。或る部分の見出しの視野狭窄で尊大化した自我に「うしろめたさ」はないもぴりりとしている。浅羽氏の論考を渉猟してみたい。 _/_/_/_/_/ 100分de名著の特集でナショナリズム(自国主義)はあったが、無権威主義は無かった。如何なものか。 anarchy は an-archy(非権威) であって、 anti-archy  (反権威) ではない。共感(sym-pathy)の反対は無関心(a-pathy)なるが如きである。 兎に角鯫生が syn-archy に振舞っていても偶然の一致に過ぎないと留意されよ。飽く迄利己的な合理性に基づくだけだ。 己の自我の暴虐性を認めたくないからこそ無権威を名乗る必要があると思っている。

haiku0350

  停止線一杯飲みて涼新た DUIじゃないデュイ。酒精を持歩いてないデュイ。 水分補給した後に漕始めると発汗量が増えるのか更に心地よく感じられる。鯫生には自転車で動ける範囲での生活が身の丈に合っている気がする。

tanka0056

  残暑光宿る白栲浜松の鴨江の館にはたはたとあり ひかりをつなぐお開きに際して 季寄せには薄暑光しか載っていないが、残暑光も認められるのではなかろうか。白栲のは枕詞にすると様々な語が続く。春過ぎての歌では衣を導く。此処では意味の関係で地名の浜名を伴う例があったので、それに倣った。また、最後ははためきてけりと表現しても良いが、けりを使いたい気分でなかった。しみじみとした感動にはそぐわないかもしれない。 最終日は三階で展示と制作をなさっていた。凡そ十二米四方の部屋で中央に五枚の布がひらめいていた。窓からの入射量も増え、街の騒めきも遠く、一階で拝見するよりも生き生きとしていた。作品の間が一人通れる分空いていて、其処に留まると風と日を纏っているようだった。羽衣蹁躚たる様に紛うばかりだった。 現在が古代となった時、金太郎飴のような値札よりもこのような絵が出土して欲しいなと思った。

haiku0349

  学友の捲る頁に後れまじ せんせ~、強い打消意志の助動詞への接続は終止形で~す。これは名詞の季語であって動詞の文節ではありませんよ。船人の間でお盆過ぎに吹く弱い南風を言います。伊豆などで使います。 白南風と並ぶ好みである。周りに読書家が多くいらっしゃるので十分の一でもついて行かなくてはと焦る。読むべき本と読みたい本が最近は一致してきているように思われる。着実に進みたい。

haiku0348

  灰色の背景ばかりの八月よ どうせならば鼓盆の如き生活をしたい。というより八月にならないと戦争を連想しない貧弱な思考機能を反省せよ。以上。 _/_/_/_/_/ 太平洋戦争の記録円盤に再生機がおまけでついてくる販促を上旬に行っていた。鯫生の電脳には円盤読取機が付いていないので欲しいなとは思った。 日本人はSi-Fe。排外主義が只の懐古趣味に過ぎない事を祈っている。但し、その懐古趣味が未来を暗転させる可能性も捨てきれないのだが。 無知で居ることに耐えられない。

senryu0069

  札抜きの 悪 ワル あり 溝 どぶ の揚ポテト MドナルドとN天堂が桃毬以来再びのやらかし。(前回は縫包みの作りが雑だっただけではある。詳しくは pixiv 大百科などを検索。) おまけを取られポテトを捨てられる。水路を態々覗込んではいないが、二十五粁の移動の間、道端には二袋もの揚げ芋が散らばっていた。世を貪る心のみ深く、もののあはれも知らずなりゆくなむあさましき。人殺しと食残しは許さないのが日本人の根柢にある倫理観。関係者の頭がハッピー過ぎる。 _/_/_/_/_/ 粗無関係だが、大漢和の棚の上段にワドルディがおわします。余り載せると床が抜けるので。

haiku0347

  ぐでぐでの偶蹄奇蹄迎へ馬 へっぽこが茄子や胡瓜に苧殻を刺したので安定しない牛と馬になってしまった。牛は偶蹄類、馬は奇蹄類との知識を基に接地面を切ったのも一因かもしれない。下手の横好きだ。 或る人が俳句か川柳らしきを作って気分が良くなっている所に水を差した。というのも駑才を誇られていたからだ。精霊馬の辞書的説明に過ぎなかった。そこで鯫生が一句お作り申し上げた次第であります。 十七音の大原則は余分な言葉を挟まない事だ。端的に描写できなければ千年専念しても無意味だろう。此の取捨選択が結局は短詩の巧拙の分かれ目なのだ。

haiku0346

  白壁の逃ぐる光や秋の色 秋の色は本来は秋の景色、特に紅葉の絶景を詠んだものだったが、俳諧に導入されるにあたって意味が拡張した。最早この句では一般的認識の風景でさえなくなってしまった。併し、命の儚さを感じられる点ではてんで明後日の方向を向いている訳ではない。 つじむら氏の網膜か脳の片隅に映る淡い光が刻一刻と変化していくのは何時迄も眺めていられる癒しだ。お盆の時期なので先祖の魂の様々も仄かな輝きとなって訪れているのだろうか。絵の具が乾きゆく時、日の翳ったり傾いたりする時、裏から覗く時、布を重ねる時、総て異なる宇宙が広がる。 現在は円、楕円から一旦離れて波の線による描写に移った。鯫生も啜などの漢字を正弦波、正接曲線で描写した図案や篆書を綰ねた形をお描きした。主題による制限が却って創作を刺戟するのが了解出来た。 _/_/_/_/_/ つじむらゆうじ氏「ひかりをつなぐ」最終日は18日(月)。興味の有る方、ゆったりした時間が好きな方は訪れてみてはいかが。尚、今週の土曜日は休みなので注意されよ。

haiku0345

  蜂十匹燻したりける迎火よ 去年のことだ。叢に居た蜂が燻されてしまった。お互いに驚いた。残暑を避けて夕方に営巣地を探していたらしい。火を焚くのは年中でも八月の二回だけなのでとんだ災難だったろう。 語順の問題だが、迎火や蜂十匹の出でにけりも考えられる。こっちの方が素直で良いのかもしれない。自動詞になってもいるので。素朴に詠めない所が悪癖と何回も申しているのに治らないならば、もう矯めないでいいかもしれない。 自動詞の方が好まれるが、流石にこの句で出でにけるとやってしまうと、火の中から蜂が湧き出したと取るのが自然なので、問題がある。 (火蜂って怒首領蜂か!) 迎火を上五にしてしまうと意外性が全くない。普通に読めるようにしてくれとのお声が聞こえてきそうではある。これでも苦心惨憺しているのだ。愚痴は以上。 _/_/_/_/_/ 殺虫剤が効かなくなりつつあるとの風の便りがあった。実際はどうなのだろうか。

haiku0344

  流星雨敗者愛せし師帥死す 後半に摩擦音が連続するので、統一感が出て満足している。 何行にも及ぶ流星群を瞻仰していたら、トレーズ総帥が不意に頭に浮かんだ。長い独語の末に本意を尋ねられて、「私は……敗者になりたい」と宣った閣下を思い出した。自らが10万10人目の戦没者となった最後の戦いが穹窿の上で丁度繰り広げられていたような気がした。 現代社会を見ると、末端の庶民迄をも無理矢理ゼロシステムやエピオンシステムに据え付けて、諸国家全体が悪夢を彷徨っている風だ。殺戮の場ではないのだから、独りで未来を摑み取れない時は他人に聞けばいい。勝つのではなく生き残ることを目標にして当面を凌ぎたいとの個人的な目標がある。相互扶助論でも読んで社会的ダーウィニズムにも行き過ぎた共産主義にも染まらない精神を育んでいる。墨子集団の復活が求められている。 戦争なぞ相手国に文化侵略するか身近な廃棄物を送り付けるかに留めておけばいいと常々思っている。高い砲弾を買って民草を刈り取らなくても無人飛行機でビラや糞を上空からばら撒けばそれで十分だ。隣の半島の応酬そのものだが。抑が実物を使わずに情報戦を仕掛ければ尚よい。洗脳してしまうのが上策だろうし、その思想が全うならば群衆も抵抗しないだろう。国連で交渉するのが最善なのは今更ここで言を費やすに及ばない。オペレーション・デイブレイクの対象にされない国際政治を期待しておく。 _/_/_/_/_/ ガンダムはこの作品しか見ていないのでファンを名乗る資格は全くない。ネタを振られても反応できない。ただ、その話が盛り上がるのを傍から見ているのは楽しい(文字媒体に限る)。台詞がいちいち気障ったらしいが、何故か心に残るのが不思議で堪らない。 所でOZは何人規模の組織だったのだろうか。師帥は2500人の軍隊の長の意味だ。少数精鋭で世界大戦を引き起こしていたようなので実動部隊はこれくらいだろうかと当たりを付けたのだが。 ロボ物や戦争物が好きならば、「もう少し人間を評価し、人間を愛してもらいたいものです」。軍記物語や歴史書などの古典も楽しめると思う。スぺオペの源流を辿るのも面白いかもしれない。あの武将ならこんな機体に搭乗するのではないかとか云う空想を聞かせて貰いたい。

haiku0343

  秋渇き御持せ半ば消しにけり 暑さに慣れてしまい安定した体重が増加に転じる危険に晒されている。自動詞を使わない理由は罪悪感である。自分が持って行った差入れを半分は消費してしまうのだから自然現象と捉える判断は超自我に弾かれる筈(Fiデーモン仕様)。鯫生に責任があるのです。詰まり、菓子を食べる口実が欲しいだけなので遠慮なく召し上がって下さい。甘党の屁理屈と上戸の釈明とは略同じ。仮令仰山の茘枝をお持込みしても罍恥を気にせずに撮続けるので御覚悟を心得給え。甘味は二十度で完全蒸発するのだ。 _/_/_/_/_/ 流石に人の話の最中に咀嚼するのは止めた方が良いのだろう。嚙み乍らの方が注意力が高まるのだが。 鯫生の話は聞流して戴いて一向に構いません。一応情報提供をしている心算ではあります。 抑会話中は相手の目を見るなる常識は詐欺師が(ry 多分此の主張は三回目だろう。

senryu0068

  ネトゲより寝とけ穢土是は金と下衆 ヱドゼは汚れた世の中が良いとすること。本来はヱドのゼとすべきだが、ネトゲと韻を踏む為に音を詰めた。 The Fix (by Thompson) を読む迄もなく世の中は不健全な依存を是としている。収奪の仕組みを模倣して自身で自身を搾らなければならない。 ソシャと研究との違いは一点を除いてない。課金出来ないと言う事だ。他者の後追いをするだけでは最終的に一番なり唯一なりになることは不可能。試行錯誤するのだ。暗中摸索がそのうち快感になるだろう。まあ、人の褌で相撲を取るT6には早かったか。 _/_/_/_/_/ 電視のサクラのガヤに混ざるのも一興か。例えば皆がへえーと頷く中でそうかなあ、ホントかなあと呟いてみたい。 統一見解は無意味どころか害があると常に疑ってしまう。群れに対する忌避感。 ふん。ソーシャルゲーム(社群遊戯)というのかい?贅沢な名前だねぇ。今からお前の名前はソシャ(社群)だ。……断じてゲームではない。(勿論例外あり。) ネットゲーム、オンラインゲームも贅沢な名前だねぇ。

tanka0055

  秋浅し不織布上の原色を鋭き獅子光の貫き拡がりぬ 風は若干涼しくなり始めたが、まだ陽光は烈しい。立秋前後、特に八月八日はライオンズゲートが最大になる頃。夏の盛りを過ぎる時期に何かを始めたり英気を養ったりするのが吉とスピ界隈では毎年のように教示される。 昨日はつじむら氏の公開制作を観覧し参加した。三原色の円や楕円を宙吊りの不織布に描入れる。大きさは問わないし、重ねても良い。但し、中を塗らないとぶしょったいとの事だった。[同日追記:飽く迄鯫生の如き初心者への忠告] 絵筆を執るのは中学の美術以来だったが、我を忘れて点描し続けた。傾蓋故の如き方で且つ勉強になる。本日も有難うございました。 _/_/_/_/_/ 公開制作「ひかりをつなぐ」は鴨江アートセンターで開催中。参加料は米五百瓦。キャッシュレス決済及び日本円でのお支払いは対応していません。多分。

haiku0342

  鯊の竿短き二本のみ泳ぐ 夕方、満ちつつある河口にて四五尺程の竿を横に動かす。十秒程浅瀬に蚯蚓を泳がせると、弱い当たり、おどおどした調子の食い付き、或いは瞬時にかっぱらう者などがある。室鯊や痩せた鮬を払いつつ一際強い引きを寄せると真鯊だ。 漸く暦の上の秋を迎えようとする頃は水温が高くて姿が見えないらしい。熱水の内を群れを作って凌いでいると言う。一昔前迄は遍在していた為針を投げれば直ぐに掛かった。趣味人は盲鯊と渾名したそうな。今や対岸や中洲、上流も海つ方も釣客は微動だにしない。それでも名人の米飯一炊の〆は桶を満たす。不漁とは何だったのか。釣りは科学だと宣う。長年の記録と今年の忠実な調査の結果とか。恐れ入り谷の鬼子母神。 _/_/_/_/_/ 心無い翁に忙しないと評されたようだが、見応えのある機能的な竿捌きだった。 [追記0809]秘伝の一端を書いたら拙かったかも知れない。とは言え古人の糟粕さえ読解できない者ばかりだから無用の心配だろう。蝦虎魚を鏖殺し終えたら寧ろ感嘆する。

haiku0341

  涼風至る干割田を実らせ給へ 切望。根気強く懇祈。

haiku0340

  じゃんけんは弱き監督夏の果 これは略一年前の報道特集で見た話に基づいて当時直ぐに書留めた作品だ。公開時に似通った情報が発信することのないように願っている。 少年野球の大会は猛暑を避けて実施している。暑さ指数が基準値を下回ったら試合開始。だが、回毎に計測し直して閾値を超えたら中断。その間子供は特別の熱中症対策のないベンチで待機だ。剰え規定回に達しない場合は監督のじゃんけんで勝敗を決めるそうな。夜間試合を行えない規則らしい。打席に一度も立たずにひと夏の終わりを迎える選手もいるとか。これからは教育者の動体視力や心理的駆け引きの能力も試されるかもしれない。 霍乱に対する責任論に攪乱(本来はカウラン)される現場が窺われる。契約書なぞ用意せずとも髫鬌かその少し上の人間の将来は指導者と保護者と社会全体で分担して支えるものではなかったのか。後遺症が残ったとしてもスポーツに打ち込んだその気魄を評価し一個の人材として活用する風潮や制度を醸成しているか。順風満帆でなくとも醇風美俗に浴せられる世間でありたい。 _/_/_/_/_/ もっとわかりやすく具体的にとのご鞭撻はご尤もだと承知しております。しかしながら、これ以上の具象化は誰かを傷つけかねない。この虞を迂回し、詳しく描写するのは鯫生の力が及ばないのであります。そう云えば監督はじゃんけんだけは絶望的に弱かったなと笑って振り返っている状況を想定しています。

tanka0054

  風底 しなそこ の 底生生物 ベントス を復た焼べむとす炎帝統ぶる厨にやあらむ しなそこは水底に倣った造語。 最早夏の神の贄でしかないのかもしれない。平らげられる日を待つだけの苦しみよ。明後日は立秋なのに。

haiku0339

  梟牢の冷蔵庫前きょろきょろと ケウラウは空しいさま。鴟鴞の檻は確かに広々としている。音を当てただけだと思うが。からんやがらんに似た調子だろう。 良心的な店の設備が遂に壊れた。温度管理や液漏れが許容範囲を超えてしまったらしい。酸酪も納豆も水雲酢も暫く売らないそうだ。五月頃から涼む為に意味もなくぶらついていた。経営に深刻な影響が無ければ良いが。お疲れ様でした。 _/_/_/_/_/ 改修方法が気になる。

haiku0338

  灰色の蛙の行列喜雨来る かへるのギャウレツは向こう見ずな人々の譬え。後ろ脚で立つと前が見えない事から。 先月は上旬に数日降っただけで二十日間は一滴も無かった。米の不作が濃厚になり、農水大臣への非難が噴出している。とは言え、展望の無い糶糴斂散を叫んだ手前述べられない灰色の蛙である。但し、一回目の備蓄米を農協が殆ど買占めたのはどう見ても公正取引委員会案件。あのせいで二回目以降に大量放出せざるを得なくなった。今更しゃしゃり出てきて菩薩顔する資格は無いと牽制しておく。

haiku0337

  砂丘灼く窮せる犰狳に救与せむ 丸まっているのを事にしてサッカーを始める無邪気さ。アルマジロにあるまじき仕打ちをする子。咬まれるぞ。そっと日陰に置いてやって下さいな。 _/_/_/_/_/ サンド可愛い。サンド可愛い。サンド可愛い。重要なので三度云いました。白いのも好き。 個人的には歯式の数が小さい生き物は咬むと表記し、大きいのは嚙むと書きたくなる。挟む感じと擂潰す感じを受ける。哺乳類以外は前者だろう。蛇、虫、鳥が嚙むのは想像出来ない。但し、貧歯目には別の字を設けた方が良いかもしれない。(飽く迄雰囲気の話。) 動詞塗れで据わりが悪い。

haiku0336

  来し方の己心と語る木下闇 炎熱が容赦なく呵責するので木陰でも明るい気持ちになれない。暗澹たる過去を思出す。劣等感の素になる経験を濾し去ってしまいたい。でも、それは果たして自分と云えるだろうか。 尚、鯫生の立場を表明すると、自己は虚像か精々皮膜であると思っている。同時にこの態度が芸術家の中では特異である事に悦に入っている。詩人の使命である所の生き生きとした私を描けない補償かもしれない。