haiku0346

 

白壁の逃ぐる光や秋の色


秋の色は本来は秋の景色、特に紅葉の絶景を詠んだものだったが、俳諧に導入されるにあたって意味が拡張した。最早この句では一般的認識の風景でさえなくなってしまった。併し、命の儚さを感じられる点ではてんで明後日の方向を向いている訳ではない。

つじむら氏の網膜か脳の片隅に映る淡い光が刻一刻と変化していくのは何時迄も眺めていられる癒しだ。お盆の時期なので先祖の魂の様々も仄かな輝きとなって訪れているのだろうか。絵の具が乾きゆく時、日の翳ったり傾いたりする時、裏から覗く時、布を重ねる時、総て異なる宇宙が広がる。

現在は円、楕円から一旦離れて波の線による描写に移った。鯫生も啜などの漢字を正弦波、正接曲線で描写した図案や篆書を綰ねた形をお描きした。主題による制限が却って創作を刺戟するのが了解出来た。

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つじむらゆうじ氏「ひかりをつなぐ」最終日は18日(月)。興味の有る方、ゆったりした時間が好きな方は訪れてみてはいかが。尚、今週の土曜日は休みなので注意されよ。

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