haiku0340

 

じゃんけんは弱き監督夏の果


これは略一年前の報道特集で見た話に基づいて当時直ぐに書留めた作品だ。公開時に似通った情報が発信することのないように願っている。

少年野球の大会は猛暑を避けて実施している。暑さ指数が基準値を下回ったら試合開始。だが、回毎に計測し直して閾値を超えたら中断。その間子供は特別の熱中症対策のないベンチで待機だ。剰え規定回に達しない場合は監督のじゃんけんで勝敗を決めるそうな。夜間試合を行えない規則らしい。打席に一度も立たずにひと夏の終わりを迎える選手もいるとか。これからは教育者の動体視力や心理的駆け引きの能力も試されるかもしれない。

霍乱に対する責任論に攪乱(本来はカウラン)される現場が窺われる。契約書なぞ用意せずとも髫鬌かその少し上の人間の将来は指導者と保護者と社会全体で分担して支えるものではなかったのか。後遺症が残ったとしてもスポーツに打ち込んだその気魄を評価し一個の人材として活用する風潮や制度を醸成しているか。順風満帆でなくとも醇風美俗に浴せられる世間でありたい。

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もっとわかりやすく具体的にとのご鞭撻はご尤もだと承知しております。しかしながら、これ以上の具象化は誰かを傷つけかねない。この虞を迂回し、詳しく描写するのは鯫生の力が及ばないのであります。そう云えば監督はじゃんけんだけは絶望的に弱かったなと笑って振り返っている状況を想定しています。

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