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滅亡之幻想、平聲三十韻目其十三。
逮宵雲黮䨴。鸑鷟獨毰毸。鶱翥過溟海。復將齎燼煨。


韻灰(上平)、平起、五絶。

宵に逮びて雲黮䨴たり。鸑鷟獨り毰毸たり。鶱翥して溟海を過ぎ、復た將に燼煨を齎さんとす。

注釈。黮䨴(雨+對)、タンタイ、雲の黒い様。鸑鷟、鳳凰の一種、紫色らしい。毰(毛+咅)毸(毛+思)、ハイサイ、双声語、鳥が羽を広げる様、羽搏く様。鶱翥、高く飛上がる、高く飛ぶ。溟海、黒々とした大海原。燼煨、燃尽きて灰となる、又、燃焼の残余物。


畳語を韻に用いるのは許容する競技会は多いが、双声語に寛大な大会は存在しないから、提出する時は注意されよ。尚、同じ熟語を王安石が律詩で第二句末に置いている;晴天鏡裏雪毰毸[集禧觀池上詠野鵝]。大漢和の解釈だと、雪のきらきら舞う様とあるが誤りか。青空の下、鏡の如き水面の上に、雪の羽根を羽搏かせていると詠っているのだろう。

句末は韻以外も近い発音で揃えた。読ませる気は無いし、特別な意味も無い。

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本物の詩人には霊感が備わっているのだろう。眼光紙背に徹っていらっしゃるので畏れ多い。

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