risshi0001
初冬愁。
菸癮在簷間。詩人不克刪。微軀裝勇力。赤面伐嚚頑。丹款單金句。黃銅兩耳環。啻曰誰家子。超然忘野蠻。
韻刪(上平)、仄起、五律。
菸癮簷間に在り。詩人刪る克はず。微軀勇力を裝ひ、赤面嚚頑を伐る。丹款の單金句。黃銅の兩耳環。啻だ曰く誰が家の子ぞと。超然として野蠻を忘る。
注釈。菸癮、煙草が手放せない人、厳密にはニコチン依存症。参考迄に、老菸槍はヘビースモーカー。簷間、ひさしの辺り。刪、詩文を添削する事。嚚頑、愚かで頑なな事。赤面、酒精で紅潮した顔。丹款、赤心に同じ。金句、金言、残念乍ら禁句でもあった。誰家子、「お前どこの奴だ」。
冷たい雨の降る日、終着駅前の軒下で読書しようとしたら副流煙に中った。面と向かって煙草を止めて戴けますかと聞くと、お前どこの奴だと繰返すばかり。誰の言葉なら聞く気があるのか、広場での喫煙は公害と申して差し支えない現象な訳で医者も条例も禁じているのですが、或いはすぐそこの喫煙所が見えませんか、等際限のない不満が湧起こったが、檸檬酎ハイを握るのを見て此のDQNは、少なくとも現在は、日本語が理解できないのだから相手しても無駄だと悟りそそくさと離れた。勿論詩を以て網上に晒すと決意して。律詩を書く時は大抵憤懣遣る方無い時です。律しなければと思う場合です。哀れむべき渠は、ほろ酔いで紫煙を燻らせ乾風に体を冷まして心地よかったのに文弱の徒に水を差されたと言語化する事も無く、闖入者の残像だけを只管恨み続けるのだろう。
もしかしたら小難し気な本を持つ眼鏡の青年を勝ち組と見做し、社会の羈絆を振切る自分に陶酔する他無い境遇だったのかもしれない。自尊心の蹂躙を恥じている。
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依存症と搾取とどちらが先なのだろうか。過労を防ぐと執着が減るのか。当面は合法的依存症患者、即ち買い物、着道楽、車、腕時計、外食、酒、煙草、性、賭博、推し活、会話、電網、遊戯等を我慢できない人々からは税を徴収し福祉に回すべきだろう。貯蓄が出来ないのだから。不健全消費によるGDPを計上している限り生活の実態は統計に表れないだろう。利益は見えるが損失は捉え難い。況や曲突徙薪の功をや。
過半数の障碍は認識出来ない。
難度の高い課題には怒りが有効とあった。煩悶が無ければ七面倒な型式に挑戦しない。李絶杜律と評された詩聖も慢性的に溜込んでいたのかもしれない。俗語の導入も貴族や宦官の放蕩に嫌気が差したからか。
律詩は疲れるので鼯鼠五技にして窮す改め鼯鼠五絶に類無しと言わしむる程になりたい。当然俳句川柳短歌も忘れていないし自由詩もいつか。やっぱり五技か。
超然とあるが全くさっぱりとしていない。がっかりという意味では適う。
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