zekku0019

 

山行。
深山解鳥歌。目睫有潛蛇。何爲吾與樹。竛竮着薜蘿。


韻歌(下平)、平起、五絶。

深山に鳥歌を解せば、目睫に潛(む)蛇有り。何爲ぞ吾と樹と、竛竮として薜蘿を着るや。

注釈。目睫、目とまつげ、転じて時や場所の迫っている譬え。竛竮(立+屛)、レイヘイ、韻は共に青(平声)、ひとりぼっちのさま、また、ふらふらと彷徨うさま。薜蘿、かずらの類、また、其れで編んだ隠者の衣。


鳥類言語学者の鈴木氏の話を聞いて歌と蛇で楽しい詩が作れるかと期待して筆を進めたが、結局暗澹たる調べになってしまった。何かの病いなのだろうか。書留めには臲卼(兀+危)なる熟語をも引いた跡が。見るからに危うい。(勿論ネタですよ。)

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何為を理由の疑問詞とする時、両方平声に発音する習わしらしい。文句は西田氏等に仰って下さい。(文庫版166頁以降) 鯫生は「なんのために」と訓み、為は去声が妥当と考えるが。(為はため又は助けると訓む時に去声、その他例えばサ変動詞やなる、なす等と訓む時に平声になる。) 語順を変えたのは絶句の切れ即ち二・三に合わせる為。通常は(主語)何為(動詞)が良い。

渉猟した限りでは理由の疑問詞で○○は何為と何如しか無いと思う。結構致命的である。其の前に何故を挟むなと言われそうだが。

詩語辞典を検めたら何由、何因も平平だった。不勉強なだけだった。

奚や胡も平声なので何の用法が流用可能ならば表現の幅が広がる。

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