tanka0043
厨二病患者の眼卯月晴闌くる苺の苑に涙す
熟れた覆盆子の馝馞たる域に入るとありもしない甘酸っぱい十代が思出される。恋愛脳の発信者共に記憶を改竄されたのだろうか。
人生六十年で季節が一周すると仮定するならば、最初の十五年は玄冬で、青春、朱夏、白秋と続く気がする。(還暦から復た暫しの冬だろうか。) そうなると中学生の時分は春隣りに過ぎないし、次の三年、四年間は早春でしかない。二十代丸々も亦韶華じゃないでしょうかと申したくなる。憧憬に値する美を見付ける時期だろう。時には世を震撼させるものを心肝となす事もあるかもしれない。佳麗なるを餉の生活を厭わずに支えていく。
鯫生のジュネスは一日中寝過ごしてばかりだった。生来の懶惰の所為で。だが、治療が一段落して打込むべきに漸く邂逅出来た。濁世と共に浮沈しないで済む趣味を持てて幸せだった。有難や。
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