haiku0208

 

春浅き畠は重機に葬らる


単純受身を使わないと言った以上、此処の用法は只の叙述ではない。残念な気持ちを抑えきれないのだ。感情価を含むので使用した。

今年も滋養を育む筈だった菜圃は埋められて、復た数軒建つらしい。中核都市の寝床に成り下がっている故郷に思う所はある。– Ô douleur! ô douleur! Le Temps mange la vie,/ Et l’obscur Ennemi qui nous ronge le cœur/ Du sang que nous perdons croît et se fortifie! par C.B. L'Ennemi 時短で得をするのは、否、よそう。

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こころの英訳があると聞いたので調べてみた。現在日本の書肆で求めると、恐らく三千円するだろう。原書は四百円そこそこだ。こんな所に円安を感じる。尤も発行が十五年前なのでこの程度だが、若しここ数年で上梓していたら更に倍だったかも知れない。(依然として電子書籍はロハ同然だが) 一先ず図書館に借りに行って来た。現代の芸台には何を収集すべきかとふと疑問が湧いた。

多分初めて訳者が取り組んだ時は矢鱈と英語に移しやすい事を不自然に感じなかったかもしれない。あのぎこちなさを欧語ではどのように捌くのか、お手並み拝見である。拉丁語塗れだったら一層清々しい。また、横にした人の新進気鋭の頃と円熟期のとを何時か校讐してみたい。

所で所謂透明な文体が判然としない。ハードボイルドではなさそうだし、こころの諄い文を透明と称するのも違和感がある。ざらざらし過ぎだ。徒然草の中程からをそう呼ぶのは差し支えない気がする。

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