haiku0157
咳く勿れ共にタオルを干しませう
老父の朝は早い。洗濯物を干してくれるのは嬉しいが、咳嗽が居候の寝耳に響く。剰え曲などを聞いている時がある。想定外の騒害だ。しわぶきは生理現象なので致し方ないが、携帯からの嬌声は矯正すべきと愚考したのでヘッドホンを渡した。
そんなことより、急がなくていいよ、一緒にタオルから干してみましょうと声を掛ける優しい愚息でありたい。まあ、そんな段階はとっくに過ぎててきぱきと挟みに下げていくのだが。実行力のある様は非常に頼もしい。あとは非情に聞こえる論をせめて食事中に展開するのをやめて欲しいのだが、高望みか。ESTJ的振る舞いは恐怖を覚える。無意識のSF気質が刺激されてしまうので勘弁してよ。声色と文末を変えるだけで印象が変わるのだが難しいか。
窓外をすは不器用が詠まむともよに放哉の咳は許さじ。尾崎氏の珠玉の咳唾、咳をしてもひとりを超えられない。曠前空後である。恨めしや。箜篌でも掻き鳴らしたい。What's harpened? と訊かれる程に。(厳密には窓外と嗽咳の文語表記とアクセントは異なるし、すはぶきもあまり一般的でない。咳と関の強弱も違う。宥してクレメンス。)
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