haiku0150

 

くろにょんの佇む湖上冬隣


くろにょんは黒部堰堤に棲んでいる。夏季は毎日お散歩を楽しむ。毛皮に付いた水飛沫が日に当たって眩しい。抑色彩にも独特の眩しさがある。黒と桃色と云うと到底調和しそうにないが何故か見慣れてしまった。マスコットにさえ無個性の潮流があるのによく逆らったなと純粋に感心してしまった。可愛い。今度もふらせてね♡

黒四の観光放水は十月半ばには止まってしまう。紅葉の季節は静謐だ。室堂は冠雪し始める。十二月には氷雪の世界。紅の只中、不香の花の蕾の上に何を思うのか。のったり歩く鮮やかな毛玉を高台から見遣り乍ら考えていた。霜葉に寄り添う様だった。

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