tanka0012
蓊然と森は豊かになりぬれど見慣れ磯馴れし松茸いづこ
みなれそなるは源氏物語に出てくる言葉遊びを含んだ言い回し。水と磯の縁語を連ねた語で、意味は見慣れるに集約する。但し、此処では磯馴れた松という繫がりもある。磯馴るは磯風にあたって木が低く曲がって生えているさまを云う。粒粒辛苦の趣がある。
先日申した、実際の森の姿がこれである。菌根菌の貧困化は森林の極相化によって引き起こされる。場自体は豊かになっても、大事な価値が置き去りにされ消えていく。その象徴のように思われた。
寒巌枯木が悟りの境地を表す言葉だが、巉巌孤松という言葉が何となく浮かんできた。世の中から距離を置きつつ苦しみに耐え乍ら青々としている感じか。
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