haiku0134

 

床擦れの無想の寄寓十日菊


陰性症状の著しい時は全くの無感動、無気力で寝床から起き上がる事も儘ならない。重陽の節句を過ぎてから菊が咲いていたり、飾ってあったりしているのに気が付く。もはや何もかもが手遅れに思われる。高尚な在家を気取るしか憂さ晴らしが出来ない。否、鬱憤を感取するも能わぬさまである。病状が落ち着いた今は涅槃体験と呼んでいる。不随意の形骸を恨む感情も滌除しなければ入滅ではなかろうが。

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