haiku0113

 

傷秋や双摩天楼崩れにき


思い悩むほどの秋を感じられるかは別として、痛ましい事件が脳裏を過った。電視で中継していたので地獄絵図が焼き付いている。バベルの塔が再び崩壊したようだった。武力が文事を蹂躙した。

DSM-5-TRの心的外傷後ストレス障害の定義によると、実際に体験した恐ろしい出来事に起因する症状しかこの診断名を用いないらしい。電波で伝播した映像、音声、画像は実際の体験とは呼べないのか。黒津波や大火、𩇒禍(U+291D2,震)の記録で体が震えるのはどうすればよいのか。現代の精神医療にも限界があるのかもしれない。

極端に走ってはいけない。幾許かの命が世界を変えることはない。兎に角生きて業績を言葉を残せ。そして何よりも慈悲忍辱を事とせよ。(空なんぞは半端に知ると却って毒だ) 蓋棺事定とはいえ自分から蓋を閉めに行く必要は一切ない。愛する人か慈悲深い人に供養して貰える時が来るだろうから。一人に偲ばれればそれで御の字の生き様だと牢記しておけ。

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