haiku0102

 

鼾雷に拍手喝采聒聒児


字面がこの上なく豪快に囂豗である。実際は乙夜から広漢和を繙いて深更に至った時の様子を素描した。混沌の曲が止み、がちゃがちゃが囃し立てる。当然鈴虫に陶然とする夜もあるが、今回は轡虫の低音が耳に留まった。先ず同居人の睡眠時無呼吸症候群を心配すべきだが。

近年の八月は残暑ではない。真夏日が途絶える季節がいつになるのか見通しが立たない。陰暦七月の異名、流火に熱の印象が雑ざるのは列島が度を失っている証拠だろう。夜着を退けるより余儀無い。初秋の俳句が夜霧籠って眼前にも脳裏にも、また胸中にも全く過らないので、幾弱り果てているこの頃。もう一度歳時記を読み込もうか。

コメント