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解虫。
颱去顥穹高。闐阡褐色螯。銀輪咿軋逼。遁若踐鈐韜。


韻豪、仄起、五絶

颱去りて顥穹高し。阡に闐つ褐色の螯。銀輪咿軋として逼る。遁ぐること鈐韜を踐むが若し。

注釈。顥穹、大空。の平仄交替。咿軋、車輪の軋る音の形容。鈐韜、玉篇と韜要決、古代の兵法書、転じて兵法の事。


題名の虫を解明するとは蟹の生態。詩中の銀輪は勿論美しい車。鯫生が実際に走らせたのは自転車だが、蟹がさっと捌けたのが面白かった。結句と其の韻が自慢。言うは易く行うは難し。甲殻類の方が賢いかもしれない。観察すると或る者はそのまま横断し終える一方で須臾の逡巡の後翻す者もいた。進退どちらを選ぶ個体が淘汰に耐えるのだろうか。

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