haiku0089

 

霹靂(かみとけ)の闢く八月の穭田


靊霳や霹靂や雷霆と書くと強そうに見えて、稲妻(夫)と書くと靭やかに感じる。雷を表す語は主に夏の季語であるが、稲妻は初秋の季語だ。

穭田は稲刈りが終わった後の株からほっそりとした茎が生えているのがぽつぽつと見える田圃のこと。当然羊の群れが居座っている訳ではない。櫱の生命力に満ちた印象とは逆に、瀟殺たる情景が見える。

再生二期作が最近は盛んになってきているらしい。巨人が雷霆の鋤や鍬を振り下ろし土に力を注入しているような映像が浮かんだ。そうして、余孼から新たな命が育まれる気がする。伝統的な稲妻の解釈を見直す時期になったのかもしれない。

靊霳にはついでに秕政を鋤蹶斬断して欲しい。

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