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乙巳年静岡連詩會。 蘭堂気韻譚。機警悦秋蟫。結句無迂誕。應思過日甘。 韻覃(下平)、平起、五絶。 蘭堂に気韻譚し。機警は秋蟫を悦ばす。結句に迂誕無し。應に過日の甘きを思ふべし。 注釈。蘭堂、公の講堂の美称、グランシップの部分音訳でもある。譚、深い。機警、機知、当意即妙さ。蟫、昆虫の紙魚、又、読書してばかりの人を嘲って言う。迂誕、取留めのない事、大袈裟な事。過日甘、今回の連詩の最終行を承けて。 転句の付け具合が不満。 自由詩に造詣が深くないからか専門家三人の閫奥を完璧に理解出来なかった。主宰の捻くれ具合に笑った。小説家とラッパーの言葉遣いが機知が効いていて刺戟になった。貪欲な学習をした二人の成長が著しかった。エピックやリリックに流されがちな挙句近辺も締まりがあった。司会の説明が諄かったが全体としては豊かな三時間だった。ところで「一世紀前の未来派の気持ちいまだ少しわかるよ」なる部分の真意を環氏に質問してみたい。実際周りには拙速を至上とする人々が溢れている訳ですし。鯫生も含めて。 以前中国の現代詩人は韻を敢えて外すとの話を聞いたが、今回古典に対峙する刺客は七五調を避けると仰っていた。定型に囚われている凡人には未知の世界だった。 _/_/_/_/_/ 通例グランシップの広報誌冬号に前年の連詩が載っている。網上で閲覧可能なので興味のある方は是非。 鯫生も連詩を巻きたいので連絡用の頁に記載の連詩用住所までお気軽にお問い合わせください。