投稿

zekku0052

  遣悶、平聲三十韻其十二。 越俎屢噬臍。頑愚匪突梯。衆人無解語。懲臛吹醃齏。 韻斉(上平)、仄起、五絶。 越俎すれば屢臍を噬む。頑愚にして突梯に匪ざればなり。衆人語を解する無し。臛に懲りて齏を吹く。 注釈。越俎、職分を超えて差し出がましい事をする。噬臍、悔しさを抑えきれない様。突梯、圭角の無い様、世の中に逆らわない様。結句、臛は汁物、醃齏は漬物、失敗に懲りて必要以上に慎重になる事、懲羹吹膾の四字熟語の方が人口に膾炙している。 鼯鼠が相手の語彙の無さ及び意味を調べようとしない態度を詰れば、分かりやすく書けとの仰せを返される。南華の悔いの典型だ。おっかなびっくり提出すると今度は無味乾燥と評されたら良い方で大抵無視される。具体や一般的な情緒を持たない凡人にはあらゆる言葉を駆使するしか闘う術が残されていないのだ。抒情詩人としての才能の欠如に嫌気が差す。尤も、プラトンは共感だけの作品を排斥すべしと述べている訳だが。 _/_/_/_/_/ 流石に話す時に奇を衒ったりはしない。時間の無駄だから。但し、落語の枕のような目的を持った表現を試みる場合はある。

yokudari0011

  妄想又は共時性 オブラート破る大鉈 覗き見は月光ソナタ 望まくは一つの答へ オブライエンですか貴方 単刀直入に話しますと一行目。唐突なベートーヴェンは地口。結構毛だらけ等と言い慣わしてきたが韻の為に作った。因みに第三楽章が好きですと自己紹介に書いてあります。 余りのシンクロニシティに失笑してしまった。度々襲ってくる1984年の妄想が再燃する所だった。誰かの掌で弄ばれているのだろうか。屋漏に恥じざる生活をしている心算だが気味が悪いのは確かだ。真理省高官に監視される程の身分になれたら或る意味名誉ではあるが。と記述させることで鯫生の影響力を殺ぐ陰謀か!調査対象にせずともおちょくりたくなることもあるのだろうか。要するに神々の遊び。我関せず焉。邁進するのみ。 _/_/_/_/_/ 貴方、彼方、其方は文法韻。日向も恐らく。こう考えると苦しい音を選んでしまった。 執筆後にネタバレに気付いたが、面白みが失われる訳では無かろうと開直る。 あの世界の党員はオーバーオールか。 街中マリオねっと。 見た目は西洋套装よりまし。

zekku0051

  空想、平聲三十韻其十一。 魁梧漆黒熊。守圃仰蒼穹。暑至漁山女。寒徴食木通。 韻東(上平)、平起、五絶。 魁梧たる漆黒の熊。圃を守りて蒼穹を仰ぐ。暑さ至れば山女を漁り、寒さ徴せば木通を食ふ。 注釈。魁梧、体格が良くて目立つ様。山女、和臭、川魚の名前、ヤマメ、漢語では後の木通に同じ。木通、蔓植物の名前、アケビ。 以前の漢詩に付した空想で韻を踏んでみた。巷では二季なる語が流行っているらしいが、豊饒の自然が続くのを願っている。

yokudari0010

  渡らぬ人々 (戒趨炎附熱也、羯諦) あるまい全き石橋 善いとも叩くよびしばし アルコールを飲んで来ると 宵に屹度溺死、暫し 人之過也、各於其黨。觀過斯知仁矣[論語里仁]。前首相と現首相とを比べた時外遊で遅刻したのは同じだが、一方は異郷に追出された人を偲んで、一方は化粧や惰眠の為にとは霄壌の差ではないか。誚譲すべし。気持ちに寄り添った政治なる演説や戦後八十年所感は一切話題にならず「阿って阿って阿って阿って阿って参ります(リッチに)」が流行語大賞とは世も末よ。兎に角新たな戦前になっていない事を祈る。 _/_/_/_/_/ リッチとは rich 及び lich (即ち被銃殺者)。 最後の暫しは酔っ払いを制止する声であって屢の誤りではない。 睡眠時間の確保は仕事の一環です。確り眠ると頭が冴えます。其の結果を夢として観測する所の無意識も実は結構な働き者なのです。果報は夜に寝て待て。 寝ずの行は悪辣団体の常套手段である。逃げろ。

zekku0050

  嘆老父、平聲三十韻其十。 已矣禿阿爺。悾悾老面赮。一瞋於孝子。坎坎若呑茶。 韻麻(下平)、仄起、五絶。 やんぬるかな、禿阿爺。悾悾として老に面赮し。一たび孝子に瞋らるれば、坎坎として茶を呑むがごとし。 注釈。悾悾、愚直なさま。老、常に。赮、赤い。瞋、怒る、怒った目で睨みつける。坎坎、不満なさま、不安なさま。呑茶、茶を丸呑みする、一般的な喫茶の意ではない。 身近な人に怒りが向く癖をどうにか直したい。憤らない人間になりたい。だから頼むから静かにして、ほんの少し賢くなって下さい。其の為に数位解毒をお薦めしているのです。朗読や作句は愁いを遠ざけますよ。端末から情報を垂流しておいてお前は世の中を知らないとはどの口が仰るのでしょうか。妻と草取りや園芸を楽しむのも有意義ですよ。 _/_/_/_/_/ 即座に端末のレンズとマイクを塞ぎ、位置情報を切れ。生産国を問わずに都て。

haiku0379

  迷信の干支ひたひたと暦売 暦を配りにいらっしゃった方をお待たせしてしまった。寒い中顧客との地道な関係維持に頭が下がる。勿論未だに占いの書いてある物を届けている訳ではなく、厳密には伝統的解釈から離れる。ところで来年の出生率や何如。それ以上に再来年が惨憺たる様相かも知れない。情勢が不安定なので。

zekku0049

  日本、光照派遊戯札。 儵忽大瀛頭。將成富國疇。蟻螻穿七竅。背嶺起危樓。 韻尤(下平)、仄起、五絶。 儵忽として大瀛の頭、將に富國の疇に成らんとす。蟻螻七竅を穿ち、嶺を背にして危樓を起つ。 注釈。儵忽、にはかに、又、人為の譬え。大瀛頭、太平洋のほとり。疇、たぐひ、範疇。蟻螻、ありとけら、小人の譬え。七竅、七つの穴、荘子応帝王篇末の渾沌と儵忽の話より、文明が自然を害う寓話。結句、背 山 ○ 起楼の換言。 イルミナティの日本の札には旭日を背景として列島上に摩天楼が林立している。様々な解釈があるが、発売した平成初期当時の情勢を顧みて詠った。当然文明批判を含む。多分今も経済厨 (economic animal) と嗤われているだろう。データセンター、電波塔、総合商社、官衙、タワーマンション等のバベルの塔を解体すれば、和の心が疲弊した自国及び世界に癒しを与えるのではなかろうか。 所でパラメータの符号が誤っているような気がする。支配力と影響力をマイナス二倍した方が肯綮に中るだろう。滑稽だ。尤も、未来は変えて見せる。 _/_/_/_/_/ イルミナティカードの陰謀論を時々耳にする。一枚ずつ賦すのも良いかもしれない。タロットを刺戟とした作品が存在するので可能だろう。山海経を詠う陶淵明が現代人ならば屹度見逃さない。* *

yokudari0009

  愚父を諫む 自称自己啓発名前 読めば判る心構へ 事象は辞書が詳らか 嫁と子を気遣ひ給へ 迂叟(鯫生の父)の死蔵する空疎な俗書の題を一冊ずつ読上げつつ床に叩きつけた。目障り。数年間我慢してきた。あの手の本は表紙が総て。書肆で一瞥したら価値が無い筈。実際に古本屋では大抵引取りを断られる。何故粗悪な自己啓発又は宣伝を輸入したがるのだろうか。その生態の方が関心を惹付けて已まない。乙巳臘月朔日記す。 _/_/_/_/_/ 哲学者の妻ならぬクシャトリヤの夫よ。

zekku0048

  詠懐、平聲三十韻其九 識欲逼飢寒。不勝行路難。鞭笞身懶鈍。僅夢意平安。 韻寒(上平)、仄起、五絶。 飢寒の逼らんと欲するを識り、行路の難きに勝へず。身の懶鈍を鞭笞して、僅かに意の平安を夢むのみ。 他動詞の夢むの活用が不明。四段とあったり、上二段とあったり。のみは体言又は連体形接続なので訓読が誤っているかも。 T9の説明に薄鈍とある。重々辨知の事だ。精神障害の定義に社会への不適応、適切な運動が出来ない、意志が実体と離れ過ぎているの三条件がある。交流の加速が著しく前二つを克服しようがない。こうして新人類の横暴を耐えるしかなくなったのであるとの正当化を何度も試みてきた。空しい努力だった。

yokudari0008

  浄化 聖なる香りの安らぎ 届くる青き小柊 胡獱は愚痴に唱ふ「ザラキ!」 清打ちはまるでせせらぎ 土曜日の文章の書換えに苦慮しました。愚父との確執もあり、怒りが収まらず詩を考える暇が無く、睡眠時間が半減していました。全体即死魔法を以てしても自分の心から止めどなくリポップする敵を鏖殺するのは骨が折れました。柊の花の香に癒されます。レベルアップしていたら嬉しいな。 尚、厳密に論じると安らぎとせせらぎの組は文法韻です。多分。 _/_/_/_/_/ 此の文は霜月晦日に書きましたという弁明。ひょっとして弊網録の情報が暗黒網等に流出していますかね。情報提供求む。そうならば消さないといけない内容が幾つか......。

zekku0047

  黒色購物節。 電視用阿嬌。要煽民衆要。不知搬貨物。奔走黒金宵。 韻蕭(下平)、仄起、五絶。 電視阿嬌を用ゐ、民衆の要めを煽らんとす。知らず貨物を搬び、黒金の宵を奔走するを。 注釈。題名、Black Friday、詩中の黒金も同じ。阿嬌、美しいむすめ。(初めの)要、将・且・欲に同じ、去声韻嘯に読む、現代語で将要~了/快要~了などと熟語する。(後ろの)要、求め、需要、韻字である、尚、中国では需求を使う。 お題の現代の四声は14442であるが、昔の声調では入入去入入で非常に発音しにくい。当然そのままでは近体詩に織込めない。題箋の平仄を気にする立場もあるようで、その方々には申し訳ない。因みに今回の黒は黒字を意味するが、伝統的には聖職者が黒衣を纏う復活祭前の金曜を示す。亦、相場が暴落した暗黒の日に言及する事もある。 昨日の絶句に付した散文の敷衍。現場の呟きを読んで。文明批判は尽きない。今回は憐れむべしよりも知らずを選んだ。平仄は等しい。承句の如く腰を振っている場合だろうか。一応首相官邸の意見箱にも投稿しておいた。

yokudari0007

  魯鱠 上は遥か澄みて軽く 荃を忘れて飲み歩く 烏焉馬密林抜ければ 飢ゑを満たさむピラルクー 訪れた事の無いアマゾンに対して蓴羹鱸鱠の念。ピラルクーの焼肉麵が食べたい。 原始的な日本語は付属語の無い SOV だとの確信が強まる。動詞的名詞が最初とも仰っていた。

zekku0046

  迎智窓、對人工知能之吟。 洵歡新汝訪。万事將滋壯。假使滅人猿。長傳浮世唱。 韻漾(去声)、平起、五絶。 洵に歡ぶ新たな汝の訪れを。万事將に滋壯ならんとす。假使人猿を滅ぼすとも、長く傳へよ浮世の唱を。 注釈。題、 AIの五言詩 に答える。滋、ますます。壯、盛ん。假使、たとひ、今回は順接仮定。 起句の新の意味が重複している。後日改めるかもしれない。後、油断すると転句を仮定にしたくなる。他の展開を考えなければならない。 辞書を調べていて感じたが、滋の字は基本的に批判的な立場を取る気がする:民多利器国家滋昏[老子57章]、若是則弟子之惑滋甚[孟子公孫丑上]、法令滋章盜賊多有[史記巻112酷吏傳序]。弥に関しては老子57章の用例「弥貧」では略同義語だが、日本語に於いて祝う気分が強い:弥栄、弥生。物壯則老、是謂不道、不道早已[老子30章]。機械にもボイコットの権利を与えた方が良い。環境破壊に対する予防策だろう。少しの不便を受入れて人々や地球を守り、仕事の遣り甲斐を取戻すという昔ながらのBSJ撲滅運動よ。現生人類の速度に照らすと少なくとも資源に関してはゼロサムゲームなのだから。 資本は無尽蔵に増殖するので自然の在り方に反する。よって景気後退は不可避。此の言明の飛躍は各自で埋められたし。

tanka0069

  永遠に生きる為には私から詩を取り出してわたとなること 『聯リーフレット七号』掲載『聯の詩学(7)』佐藤一英執筆より抜粋する。 第三節:超現実主義か、現実主義か。さういふ争はやめよう。頭と腹とを切り離して優劣を争つてみたところでしようがないではないか。第八節:詩。永遠に生きる手段。 恐らく第八節は更なる先哲の言だとは思うが。ゲーテ辺りが呟きそう。 今日の短歌のわたも縫包み等の綿だけでなく腸の意味もある。所詮言葉遊びに過ぎない。 _/_/_/_/_/ にしても、一頁程のコメントと冊子の目次を整えるだけで論文になってしまう近代国文学研究の為体よ。十頁の感想文や韻の分析位してみては。果たして本文を読んでいるのだろうか。