投稿

yokudari0004

  (無題) 納屋の日陰に首縊り 星を稼ぐ奴を狡み 悩める私を救はむ 干したる猫の縫包み もふもふ。なかなか乾きません。でも強く脱水したくない。両耳を挟んで吊るしたくもない。

zekku0040

  戯作。 邪心雖可齭。暇則宜涵咀。爲我亦人常。應扶消苦楚。 韻語(上声)、平起、五絶。 邪心齭るべしと雖も、暇なれば則ち宜しく涵咀すべし。我が爲にするも亦た人の常。應に苦楚を消すを扶くべし。 注釈。齭、ゐる(四段)、酸を嚙んで歯が緩くなる。涵咀、文章を味わう。爲我、楊朱の説。苦楚、苦しみ、ソは同義語。 いると読む動詞を探すと変なのが混じっていたので韻を踏んでみた。この試みが正しく邪心ではある。歯の浮くような言葉が並びますが楽しんで頂けたら幸いです。 遑の字を使う予定だったが、打消しを伴う用法しか見当たらなかったので遠慮した。暇も同じだろうか。閑の字は厳格に判断すると平仄が合わない。

yokudari0003

  日本語四行詩宣言 奈良以来のひねひね律 欲無き孤立うっちゃりつ 世下り韻すと雖も 鳴らせよ大和のスピリツ ブルトンがシュルレアリスム宣言の真似。折角だから「よくだり」の音を含み韻律の条件を満たした形式で。鯫生は日本語の詩が押韻しない事を所与とは見做さない。侘び寂びだけが和人の声だとは思わない。未挑戦は我が国の宿痾たるコンサバの怠慢なのだから尻拭いしてやろうじゃないかと気取ってみる。極僅かの先駆者に続け。偶には韻美に耽らん。 我在朦朧中,眼前展開一片海邊碧綠的沙地來,上面深藍的天空中掛着一輪金黃的圓月。我想:希望是本無所謂有,無所謂無的。這正如地上的路,其實地上本沒有路;走的人多了,也便成了路。(故郷、魯迅) _/_/_/_/_/ ところで、葡萄牙語で精神は espirito なのだが。形容詞的に使う時 espiritu となるのでその形を音写したのか。 [1124訂正:用字を世降りから世下りへ 亦* *]

zekku0039

  獸害之風説、平聲三十韻其三。 熊鹿盜葡萄。令農寤寐騷。如強於虎兕。徹夜合酣鏖。 韻豪(下平)、仄起、五絶。 熊鹿葡萄を盜み、農をして寤寐に騷がしむ。如し虎兕よりも強くば、夜を徹して合に酣鏖すべし。 注釈。寤寐、寝ても覚めても。虎兕、とらや野牛、猛獣の代表。酣鏖、徹底的に戦い続ける。 鏖殺で韻を踏みたくなった。獣害大変ですね。ところで、熊の肉を食べて毛皮を纏って眠ると熊に変質してしまう夢を時々見る。結構毛だらけだが、実際に起こってしまうと人権の喪失が痛手である。二足歩行する知性のある生物だから実質人だねと強弁しようか。命懸けではあるが農場の警備で食繫げないかな。偶にもふっていいのよ。

yokudari0002

  沃る冷え 愛しきやし黒兎死ぬ 見ずに今年も葉ぞ散りぬ 嘴太鴉の叫べる 『湖』 par Lamartine またもや固有名詞を使ってしまった。そして懲りもせずに題名は駄洒落。 il court の Engrishu 即ち iru cool です。定期的に洋書を衝動買いしているのだが、未だ瞑想詩集を読めていない。但し今開くと一月の催事が疎かになるので鋼の意志で封じる。 ナ変動詞の活用語尾と完了の助動詞ぬは文法韻だが細かい事は気にしない。

zekku0038

  民主的家庭、平聲三十韻其二。 與母味餬饘。同爺審貴權。貧居何不樂。矗則避迍邅。 韻先(下平)、仄起、五絶。 母と餬饘を味わひ、爺と同に貴權を審らかにす。貧居何ぞ樂しまざる。矗たれば則ち迍邅を避けん。 注釈。餬饘、おかゆ。貴權、權貴。矗、まっすぐに伸びる様。迍邅、たちもとおる。 金額で計測すると間違いなく貧乏なのだが、案外豊かに暮らしているのは積善の余慶だろう。両親が真面目に働いたり社交したりするので保っている。麻が枯れても蓬はチクたる事が出来るのだろうか。全く自信が無い。

tanka0068

  海鳥と遊ぶ来世を待つ程に草臥れ果つるきのじなりけり 直前の絶句の反歌。海岸に終日屯していたい。鷗も伽藍鳥も人鳥も信天翁も羨ましい。群れを作る以上人の世の如き軋轢が屹度存在するのだろうが。尚、詩の後半の茸のくだりを無視している訳ではない。松塊は茯苓の別名で、くさびらは担子菌門の総称。キの字も木の子を意識した。現状には満足しているが、上を見れば際限が無いのは否定出来ない。とは言え結局は王命よりも鷗盟か。

zekku0037

  小人與海、平聲三十韻其一。 留連鴮鸅汀。強欲忘沈冥。漫歩求松露。無知踏茯苓。 韻青(下平)、平起、五絶。 鴮鸅の汀に留連し、強ひて沈冥を忘れんと欲す。漫ろに歩き松露を求め、茯苓を踏むを知る無し。 注釈。留連、長くとどまる、又、彷徨い歩く。鴮(夸+鳥)鸅(睪+鳥)、伽藍鳥、鴮は両韻だが今回は上声遇の読みコが望ましい。沈冥、病気、又、生死の迷いに沈み仏法の根本を見失う事。松露、茯苓、共に茸の名前。 題名に就いて。韻籤を手作りしたので今回から平声三十韻に一つ宛五絶を拵えたい。 本当は鷗の心算だったが、平仄が合わないのでペリカンにご登場願った。松露掻きは春の趣だが秋にも発生する菌だ。高級食材で香り高く色も目立つ。一方で茯苓は漢方薬になるが密かに生えている。蕪村の「茯苓は伏し隠れ松露は露れぬ」なる言葉遊びが残る。

senryu0085

  佞臣は死ねい信じていたのにな 本日二本目です。慣れてきたので二つ宛上げたいと思います。 [20250925脱稿]← 大統領の腹心が銃撃された事件による糜沸が収まって来たので当初からの予想を開陳します。勿論陰謀論である事を切に祈っている。 CKは犠牲である。古代の儀式的な意味での。渠は内訌の被害者だろう。抑、左翼系が自らに不利になるような主張を貼付けた凶器で射殺する動機が理解に苦しむ。火に油を注ぐだけだろう。胡乱な論客を懲らしめる単純な手段の有用性は御仁が実証していたではないか。即ち相手にだけ話をさせてねちねちと責め、此方の考えは一切披瀝しないのだ。最も卑劣な討論必勝法。民主党側は今回の被害者を登壇させ反論をせずにじっくり聞入れば良かったのである。日本の某保守党のように早晩馬脚を露しただろう。 現在の世論操作を鑑みるに、総て不動産王陣営に有利になっている。首領が直接に命じた可能性も排除できない。T8は影響力の「簒奪」を極端に嫌がる。臣下がより公職に相応しいとの声が上がるのが怖かったのかもしれない。まあ、強硬派の後継者争いだろうが。 _/_/_/_/_/ 舌禍を呼寄せた寵児の実態は一般人を封殺するひろゆきである。鱈子唇はあれでも弁えている部類かもしれない。怪しい権威にしか喧嘩を売らず、弱者には寄添うのだから。 現代日本に於いて女性の総体や集団は怪しい権威である。念の為。まあ、弱者男性も利権団体と呼べなくも無いが姦し娘よりかは蔑ろにされる。 本日の鯫生は自称 slow journalist です。

zekku0036

  問秦史。 盧生乖帝任。政使諸家噤。韓子寔忠臣。何由微制鴆。 韻沁(去声)、平起、五絶。 盧生帝の任に乖く。政は諸家をして噤ましむ。韓子は寔に忠臣なり。何に由つてか鴆を制する微き。 注釈。盧生、仙薬を探すと謀った。政、始皇帝の諱。韓子、韓非子。微制鴆、牢屋で時の宰相に自害させられた。 吃りで出戻りの方がましだった。何故殺されたのか。結局舞文弄法の輩が居たのか。これでは帝が道を好んでいたとは評せないですなあ。 _/_/_/_/_/ blogger に特殊文字挿入タブがあるが漢字が見つからない。と思ったらハングル云々の所だった。部首画数と間違えたのだろう。IMEパッドの方が速いとは黙らっしゃい。携帯端末の利便性は相当改善すると思う。以下テスト。鴆鷾鴯鴮鸅垠;入力可能。堮;出なかった。

yokudari0001

  新定理 時雨野をまだ止まぬじゃん ぼやいた猛き天邪鬼 法螺吹く蜃気は無視無視 日暮れにひらりラマヌジャン 尾内氏提唱の日本語四行詩に挑戦した。誤記の2025年11月18日の投稿参照。勝手に「よくだり」と訓読みして呼んでみる。三回脚韻を設け、律は不揃いにしたかったが、この詩は調子が整い過ぎ。というのも、押韻が五音節であって六六または四四四のどちらかが満たせなくなってしまうのだ。難しい響きなので今回は許して頂きたい。こう考えると伝統の立場からした破調は三行目に入る事になりそう。流石に外来語が多数になるのは問題なので豆板醤には御退場願った。歌謡曲の新形式として有効か。鳴りは新刊案内で偶然目にした固有名詞でした。 _/_/_/_/_/ 詩は畢竟アレクサンドランか。約数が多いから。日本語は1.5倍の18音節でも良さそうだが。否、俳句で十分か。 無限を窮める数学的明晰さが羨ましい。

haiku0378

  からくりとさくらを紛う冬の街 田中製機の飾り字を製櫻と読違えた。木材を刀で調え衣を纏わせる。確かに春の脆い樹木を製作出来そうな気がする。鉄樹開花と初めは思ったが現在の科学技術に不可能は無いのかも知れない。環境に負荷を掛けるので止めた方が賢明だとは思うが。 _/_/_/_/_/ 鯫生の天職はシザーハンズの氷欠きだろうか。キチの機知は既知でないと退けられるだけなのだから。

zekku0035

  乙巳年静岡連詩會。 蘭堂気韻譚。機警悦秋蟫。結句無迂誕。應思過日甘。 韻覃(下平)、平起、五絶。 蘭堂に気韻譚し。機警は秋蟫を悦ばす。結句に迂誕無し。應に過日の甘きを思ふべし。 注釈。蘭堂、公の講堂の美称、グランシップの部分音訳でもある。譚、深い。機警、機知、当意即妙さ。蟫、昆虫の紙魚、又、読書してばかりの人を嘲って言う。迂誕、取留めのない事、大袈裟な事。過日甘、今回の連詩の最終行を承けて。 転句の付け具合が不満。 自由詩に造詣が深くないからか専門家三人の閫奥を完璧に理解出来なかった。主宰の捻くれ具合に笑った。小説家とラッパーの言葉遣いが機知が効いていて刺戟になった。貪欲な学習をした二人の成長が著しかった。エピックやリリックに流されがちな挙句近辺も締まりがあった。司会の説明が諄かったが全体としては豊かな三時間だった。ところで「一世紀前の未来派の気持ちいまだ少しわかるよ」なる部分の真意を環氏に質問してみたい。実際周りには拙速を至上とする人々が溢れている訳ですし。鯫生も含めて。 以前中国の現代詩人は韻を敢えて外すとの話を聞いたが、今回古典に対峙する刺客は七五調を避けると仰っていた。定型に囚われている凡人には未知の世界だった。 _/_/_/_/_/ 通例グランシップの広報誌冬号に前年の連詩が載っている。網上で閲覧可能なので興味のある方は是非。 鯫生も連詩を巻きたいので連絡用の頁に記載の連詩用住所までお気軽にお問い合わせください。

zekku0034

  見逼時刻。 兩日忘眠食。遊於電腦時。俄慙歌未刻。作句乃孜孜。 韻支(上平)及び職(入声)、仄起、五絶。 兩日眠食を忘る。電腦に遊ばるる時なりき。俄かに歌の未だ刻まざるを慙づ。作句すること乃ち孜孜たり。 注釈。 眠 ○ 食、 寝 ● 食。乃、そこでやっと。孜孜、せっせと動くさま。 八時間遅刻。 素寒貧だけれどもカイロソフトさんに心を暖めて戴いた。感謝申上げます。中毒性の高い模擬遊戯だこと。反省文を両韻五絶で済ます。こんな為体では技術者にも官僚にも向いていないだろう。図らずも職で踏んでいるし。寒暖差刺戟で気分が悪くなって引籠っているようじゃねえ。本職は一定の基準を常に下回らない者を言うらしいので。済みませんでした。 _/_/_/_/_/ 相変わらず支韻は難しい。詩、知、思、惟、を諦めた。唐突に恥じたのはそう言う訳です。転句の収まりが悪い。 権力を与えると性格が判るとは真で、鯫生の恐れる所である。技術官僚に大した裁量は無いのだが池袋の事故を袋叩きにした下級国民を見ると戦戦恐恐とする。思わず粛清したくなるではないか。員外が言及すべきではないか。 ボードレールに時計なる定型詩があるが、執拗な繰返しを含む二十四行詩だ。刻の字を散りばめた詩を以て何時か応えたい。 Souviens-toi!