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zekku0035

  乙巳年静岡連詩會。 蘭堂気韻譚。機警悦秋蟫。結句無迂誕。應思過日甘。 韻覃(下平)、平起、五絶。 蘭堂に気韻譚し。機警は秋蟫を悦ばす。結句に迂誕無し。應に過日の甘きを思ふべし。 注釈。蘭堂、公の講堂の美称、グランシップの部分音訳でもある。譚、深い。機警、機知、当意即妙さ。蟫、昆虫の紙魚、又、読書してばかりの人を嘲って言う。迂誕、取留めのない事、大袈裟な事。過日甘、今回の連詩の最終行を承けて。 転句の付け具合が不満。 自由詩に造詣が深くないからか専門家三人の閫奥を完璧に理解出来なかった。主宰の捻くれ具合に笑った。小説家とラッパーの言葉遣いが機知が効いていて刺戟になった。貪欲な学習をした二人の成長が著しかった。エピックやリリックに流されがちな挙句近辺も締まりがあった。司会の説明が諄かったが全体としては豊かな三時間だった。ところで「一世紀前の未来派の気持ちいまだ少しわかるよ」なる部分の真意を環氏に質問してみたい。実際周りには拙速を至上とする人々が溢れている訳ですし。鯫生も含めて。 以前中国の現代詩人は韻を敢えて外すとの話を聞いたが、今回古典に対峙する刺客は七五調を避けると仰っていた。定型に囚われている凡人には未知の世界だった。 _/_/_/_/_/ 通例グランシップの広報誌冬号に前年の連詩が載っている。網上で閲覧可能なので興味のある方は是非。 鯫生も連詩を巻きたいので連絡用の頁に記載の連詩用住所までお気軽にお問い合わせください。

zekku0034

  見逼時刻。 兩日忘眠食。遊於電腦時。俄慙歌未刻。作句乃孜孜。 韻支(上平)及び職(入声)、仄起、五絶。 兩日眠食を忘る。電腦に遊ばるる時なりき。俄かに歌の未だ刻まざるを慙づ。作句すること乃ち孜孜たり。 注釈。 眠 ○ 食、 寝 ● 食。乃、そこでやっと。孜孜、せっせと動くさま。 八時間遅刻。 素寒貧だけれどもカイロソフトさんに心を暖めて戴いた。感謝申上げます。中毒性の高い模擬遊戯だこと。反省文を両韻五絶で済ます。こんな為体では技術者にも官僚にも向いていないだろう。図らずも職で踏んでいるし。寒暖差刺戟で気分が悪くなって引籠っているようじゃねえ。本職は一定の基準を常に下回らない者を言うらしいので。済みませんでした。 _/_/_/_/_/ 相変わらず支韻は難しい。詩、知、思、惟、を諦めた。唐突に恥じたのはそう言う訳です。転句の収まりが悪い。 権力を与えると性格が判るとは真で、鯫生の恐れる所である。技術官僚に大した裁量は無いのだが池袋の事故を袋叩きにした下級国民を見ると戦戦恐恐とする。思わず粛清したくなるではないか。員外が言及すべきではないか。 ボードレールに時計なる定型詩があるが、執拗な繰返しを含む二十四行詩だ。刻の字を散りばめた詩を以て何時か応えたい。 Souviens-toi!

zekku0033

  濱松旗計畫。 樂都千藝技。市巷翩翻幟。喇叭劈乾風。騷人舒雅志。 韻寘(去声)、平起、五絶。 樂都に千の藝技あり。市巷に翩翻たる幟あり。喇叭乾風を劈く。騷人雅志を舒ぶ。 注釈。濱松旗計畫、浜松 the flag project なる催し、今月の土曜日に千歳町で芸術を披露する。樂都、楽器の街、浜松の異称。幟、残念乍ら旗ではない。喇叭、牽牛花型の拡声器、云う迄も無く五月の祭との誤読を期待している。騷人、騒客とも、詩人。雅志、雅な心、又、平生の思い。 急拵えではあったが、注目に値する新風かと思う。個々人が本気で遊芸に当たっていた。転結で描いた拡声器を用いた朗読も面白かったし、只管午後の飲み屋街の足音を再現しようとシンセを操っていた人も興味深かった。歌も器楽も絵画も詩あり、千歳を千の芸術で埋尽していた。毎週自由にとなると活気が出てくるかもしれない。 以上が八日の報告だったが15日と22日の様子もそのうち書きたい。詩になる人いないかな。 _/_/_/_/_/ 団体の幟を立てないと演奏出来ないとは息が詰まる現状ではあるが、金に直接繋がらないやらまいか精神を認める器量の良さを見せて欲しい。此れは何らかの組織ではなく商店の経営者各位、街行く人々に対しての建言だ。大都会の喧騒を再現したいのならば、且つ資本主義の弊害を被らないようにしたいならば、空き地で昼間に人を集めれば賑やぐだろう。勿論、参加者による原状復帰は前提として。無料や廉価で為す事こそが文化なのだ。

risshi0002

  荒村。 夙夜耕三畹。唯能離討飯。蕭條陋宅崩。輪奐官衙建。白虎恤澆漓。蒼狐隳粹愿。喬遷太纍人。鶱翥忘猜怨。 韻願(去声)、仄起、五律。 夙夜三畹を耕すは、唯だ能く討飯を離るるのみ。蕭條たる陋宅崩れ、輪奐たる官衙建つ。白虎は澆漓を恤ひ、蒼狐は粹愿を隳る。喬遷は太だ人を纍はす。鶱翥して猜怨を忘れん。 注釈。畹、面積の単位、十二畝又は三十畝、周代の一畝は約1.82アール即ち約182平米、尚大漢和等には願韻も可能との記載有り。討飯、飯を求める事、又、俗に乞食。輪奐、建物の広大さが計知れない様。白虎、此処では四神の一つに非ず、仁獣と謂われる。蒼狐、此処では狡猾な白髪混じりの狐。粹愿、純正樸實。鶱翥、鳥が高く飛上がる。 頸聯が浮かんだのでそのまま律詩にした。つまり、郷愿の愿で調えた。漢語網を閲覧すると、現代では願と愿が通用するとあり、熟語の選定に時間が掛かった。 一言申すと、お米券やプレミア付き商品券配布って何がしたいんでしょうね。憲法の権利を無みして榷利に赴く。官吏が得をしているかのような書きぶりだが渠等の大半も同情に値する。立派な箱物を造る前に中身や周辺を省みたらいかがでしょうか。風流韻事に耽る鯫生が物しても仕方ないのかもしれないが。 _/_/_/_/_/ 大修館書店の社会人のための漢詩漢文小百科にあった平仄の表を検めると、仄韻詩も孤平厳禁と読めたので、以前の疑問の一つは解決した。後は六絶の平仄だが何処に記載があるのか。もう自分で調べるしかないのか。佩文齋咏物詩選他の資料は網上に纏まっているので詩を味わい乍らぼちぼちお知らせします。歴代六言絶句三百首なる書籍が上海の大学から出ているらしい。いいなあ。 横を縦にする商売の時代以前は真名を仮名に直していたので、別に幕末からの特殊事例ではない。所謂学問は殆どが舶来。芸能、芸術は違う筈だが。 人びとの社会戦争に引用してあった「朝晩は星をいただき、昼は梅干しをいただく生活」が秀逸だった。戦前に身を持崩した豪農の話だが。 [同日追記] integral typology で ENFP について熱く語っていたので是非。恐らく宰相の事だろう。個人的には INTP の至らなさを痛感する記事を何度も読んだが。ファッション分らん。行動指針を Si に徹底してはいる筈。ここら辺は T9 sp の面目躍如か。検討も常にしている心算。

zekku0032

  或情景、次韻秋夕。 莠榮薫被屛。草上失光螢。霜早苗無秀。多雲不見星。 韻青(上平)、平起、五絶。 莠榮え薫屛はる。草上に光を失ひし螢。霜早くして苗秀づる無し。雲多くして星を見ず。 注釈。莠、狗尾草、一見良く見える悪いものの譬え。霜、秋霜烈日は刑罰の厳しい譬え。 漢詩で空想を詠うのは御法度だが何となく試みたくなった。え、さなえひいづるなしですって!滅相も無い。胡麻擂り擂り。 _/_/_/_/_/ 何故渠を非難するのか。文章が読めない、見識が無いのに宰相になったからだ。教育勅語や安倍語録に流されるだけで、どんな言論にも存在する思想の偏りに気付かない。また、生活保護に関して、糖尿病や不正受給件数(割合や総額ではない)を引合いに出して金食い虫だと決めつける。餓死よりはましだが、栄養に乏しい食事は健康で文化的との理念から著しく乖離していると判らず、NPOや企業、政治家等の補助金交付金不正受給と割合や総額を比べる事無く社会科学的丁寧さに欠ける。精々が「象は子供でも大きいね」の如き感想に至るだけ。科学的観察とは「この地域のアフリカゾウの生後二年の個体は平均的な人間の大人のn倍の体長、m倍の体重である」という統計処理後の記述だ。話を戻すと、数々の抜け穴を考慮しない理論的に客観性を突詰めた指標は(不正受給金額)/(予算)である。精緻な評価は専門家と調査員の仕事を俟ちたい。抑純粋な数値や符号の問題に還元してしまって良いのかとの倫理的検討も要する。また、答弁で結果としてと繰返すのも頭が痛い。自分の主張を裏付けする事しか聞かない。氏の周囲で扇動していらっしゃる人々には牢屋内での猛省を求める。常に何に拠って口を動かしているのか振返って頂きたい。凡庸な悪の典型。群れの成員がそのまま本人の器の大きさになってしまう村人気質T2には限界があるのでまともな論客、其れこそ石破氏に頭を下げるべきだ。前首相が差別的な党員に協力する日は来ないだろうが駄目元で。 高卒の門外漢に一流大学卒の専門家が負けては経歴至上主義の正当性が消滅してしまうではないか。固より幻想に過ぎないが。 これでもx万円の壁に届かない障害年金受給分の仕事はしている心算である。

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  初冬愁。 菸癮在簷間。詩人不克刪。微軀裝勇力。赤面伐嚚頑。丹款單金句。黃銅兩耳環。啻曰誰家子。超然忘野蠻。 韻刪(上平)、仄起、五律。 菸癮簷間に在り。詩人刪る克はず。微軀勇力を裝ひ、赤面嚚頑を伐る。丹款の單金句。黃銅の兩耳環。啻だ曰く誰が家の子ぞと。超然として野蠻を忘る。 注釈。 菸 ○ 癮 ● 、煙草が手放せない人、厳密にはニコチン依存症。参考迄に、老菸槍はヘビースモーカー。簷間、ひさしの辺り。刪、詩文を添削する事。嚚頑、愚かで頑なな事。赤面、酒精で紅潮した顔。丹款、赤心に同じ。金 句 ● 、金 言 ○ 、残念乍ら禁句でもあった。誰家子、「お前どこの奴だ」。 冷たい雨の降る日、終着駅前の軒下で読書しようとしたら副流煙に中った。面と向かって煙草を止めて戴けますかと聞くと、お前どこの奴だと繰返すばかり。誰の言葉なら聞く気があるのか、広場での喫煙は公害と申して差し支えない現象な訳で医者も条例も禁じているのですが、或いはすぐそこの喫煙所が見えませんか、等際限のない不満が湧起こったが、檸檬酎ハイを握るのを見て此のDQNは、少なくとも現在は、日本語が理解できないのだから相手しても無駄だと悟りそそくさと離れた。勿論詩を以て網上に晒すと決意して。律詩を書く時は大抵憤懣遣る方無い時です。律しなければと思う場合です。哀れむべき渠は、ほろ酔いで紫煙を燻らせ乾風に体を冷まして心地よかったのに文弱の徒に水を差されたと言語化する事も無く、闖入者の残像だけを只管恨み続けるのだろう。 もしかしたら小難し気な本を持つ眼鏡の青年を勝ち組と見做し、社会の羈絆を振切る自分に陶酔する他無い境遇だったのかもしれない。自尊心の蹂躙を恥じている。 _/_/_/_/_/ 依存症と搾取とどちらが先なのだろうか。過労を防ぐと執着が減るのか。当面は合法的依存症患者、即ち買い物、着道楽、車、腕時計、外食、酒、煙草、性、賭博、推し活、会話、電網、遊戯等を我慢できない人々からは税を徴収し福祉に回すべきだろう。貯蓄が出来ないのだから。不健全消費によるGDPを計上している限り生活の実態は統計に表れないだろう。利益は見えるが損失は捉え難い。況や曲突徙薪の功をや。 過半数の障碍は認識出来ない。 難度の高い課題には怒りが有効とあった。煩悶が無ければ七面倒な型式に挑戦しない。李絶杜律と評された詩聖も慢性的に溜込んでいたのか...

zekku0031

  無冴経済、次韻昌平橋納涼。 富溢浴文明。窮民疾幣軽。卑常高市道。不認自寒聲。 韻庚(下平)、仄起、五絶。 富溢は文明に浴し、窮民は幣の軽きを疾む。常を卑しみ市道を高くして、寒よりの聲を認めず。 注釈。題名、和臭、サエナノミクス、某氏の命名を借りた。幣軽、通貨の価値が低い事。転句、常道を低く見て商売の道を尊ぶ、目先の金勘定ばかりなのを嘲る。 第三句が四字熟語辞典に載るといいなあ。卑常高市、倫理を忘れて小利に趨る。え、つねにたかいちのみちをいやしむですって?それは語順が違います。つねのたかいちのみちをいやしむと訓読しましょう。渠は権謀術数をこなす質ではないので、非常事態用の政策や主張があるのかは知りません。