zekku0037

 

小人與海、平聲三十韻其一。
留連鴮鸅汀。強欲忘沈冥。漫歩求松露。無知踏茯苓。


韻青(下平)、平起、五絶。

鴮鸅の汀に留連し、強ひて沈冥を忘れんと欲す。漫ろに歩き松露を求め、茯苓を踏むを知る無し。

注釈。留連、長くとどまる、又、彷徨い歩く。鴮(夸+鳥)鸅(睪+鳥)、伽藍鳥、鴮は両韻だが今回は上声遇の読みコが望ましい。沈冥、病気、又、生死の迷いに沈み仏法の根本を見失う事。松露、茯苓、共に茸の名前。


題名に就いて。韻籤を手作りしたので今回から平声三十韻に一つ宛五絶を拵えたい。

本当は鷗の心算だったが、平仄が合わないのでペリカンにご登場願った。松露掻きは春の趣だが秋にも発生する菌だ。高級食材で香り高く色も目立つ。一方で茯苓は漢方薬になるが密かに生えている。蕪村の「茯苓は伏し隠れ松露は露れぬ」なる言葉遊びが残る。

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