haiku0333

 

薄氷ハクヒョウを嚙む能はずや氷宇治


本当は中七をえ嚙まざりけりとした方が自然なのだが慣用句を裏切る意図を優先した。

先日遠出の帰りに御相伴にあずかった。きく宗の味噌田楽、菜飯と欠氷だった。傍題を用いたが、実際は氷宇治金時だった。定食は優しい味付けで舌にも腹にも逆らう所が無かった。食後の甘味は氷の厚みが無かったので全く頭が痛くならなかった。味付けもさっぱりとしていて、特に小豆が上品に煮てあった。未練が一つ消えたと仰っていたのは洵に宜なるかな。御馳走様でした。

俳人の視点から検めると、此の献立は春は菜飯、冬は味噌田楽が季語に使える。贅沢を申すと後は秋の何かが欲しい。但し、流石に松茸のお吸い物や茶碗蒸しを並べられると注文できないので痛し痒しである。

以上伴食大臣食通記でした。

_/_/_/_/_/

先生の日本語と教育の話はこちらから。最近は日本語強勢論、万葉仮名の甲類乙類区別の話やオノマトペ起源説が目新しい。教育現場に於ける具体的な示唆もあるので是非。鯫生の如き悪文は決してお書きにならないので言語と教育に興味のある高校生以上には有意義と思う。(実は屢言及していた研究会はこの方の主宰でした。)

コメント