haiku0155

 

切疵の嘘寒問暖七五三


境内で参拝中の子供が切り傷のある大男に話しかけられると小春日和にも関わらず緊張が走る。観察してみると少し冷えた少年の手を温めていた。小さな掌に触れて生活の逼迫を悟ったのか気遣いの言葉を掛けてくれたようだった。笑裏蔵刀の輩や意識高い系が勝利する浮世を忘れられた一幕だった。

淞隠漫録なる清代の小説集が出典らしい。嘘は我が国では虚構を意味するが、秦灰の素には動詞の吹くまたはすすり泣く(歔欷)の意で記してあった。この成語は寒きに吹きて暖を問うと読む。人の生活を気遣う事とあった。他にも軫懐を癒したり箴誡たり得たりする四字熟語が発見できるかもしれないので繙いてみたくなった。

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意識と同音の語を求めると、違式詿違条例なる項目に出会した。明治時代の日常的な軽犯罪を取締る法律らしい。身近な故意犯と過失犯に対処する規定だったそうだ。

近頃は無知の詿違を使い捨てにする無恥の違式の首魁意に介さず狂悖暴戻を極めるあり。一部には無法の外夷も関与しているとか。五濁の水を見ずに居られたら良いのだが。

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