tanka0001

 

日本画の膠乾かず俄雨振子時計の午後四時の音


驟雨が季語で俄雨がそうでないのは解せぬ。かと云って驟雨や夕立雲、夕立晴、入道雲等の気分でもなかった。韻が合わない。よって、俳句は諦めた。

芸術家のアトリエは独特の空気が張り詰めている。整然と画材があり、画架に描きかけの絵がある。そこには既製品が殆ど無い。ボードレールの詩を思い出す。

歳月の磨いた/つややかな家具が/私たちの部屋を飾ってくれよう/……

L'invitation au voyage par C.B. 安藤元雄訳

直射日光の入る窓が小さかったのも心地よかった理由かもしれない。

日本画の難しさはその塗料にあるらしい。鉱石粉を水と膠で溶いて画面に塗り重ねるそうだ。勿論、鉱石は水に溶けないので水彩画や油絵のような自由な色はなかなか出ない。それが緊張感と荘厳さの源なのかもしれない。

コメント