haiku0104

 

長田なる秕貫きてし稲光


美しい田圃に或る夜落雷があった。稲が駄目にならないか心配したが、有難い事に豊作だった。神々が過酷な暮し向きの水呑みを不憫に思し召して、禾穀がたわわに稔る様に稲妻を遣わしたのかもしれない。ところで、長田(田圃の美称)は永田と同音であるし、しひなの字には秕政の熟語もある。雷を主神の怒りの象徴とした神話もある。当て擦る意図が無いではない。

文民は文字の獄を恐れざるを得ない。同義語、同音語を使ったり、譬えたりして糾弾するのが筆耕硯田の常ではある。時に権力者は寛容でないばかりか、揶揄の存在しない文脈を断罪してしまうことも。更に、試験で不合格になるだけならまだしも、一族郎党お縄になるなんて珍事中夭は歴史書を繙けば枚挙に遑がない。

民主主義も世界平和も多様性も詮ずる所正義の暴走を食い止める為の道樞が必須だ。敵と認識しない事、敵でも許せる事が要諦だ。先ず鯫生が譲歩致すべきだろう。憂国の士に天啓が与えられんことを祈ると云う句意としてお読みになって下さい、政治屋の諸先生方。失敬、右手人差し指が伸びてしまいました。

コメント